Bored Ape Yacht Club、20カ月ぶりの安値──NFT市場の冷え込みとイーサリアム下落で

人気NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」のフロア価格は3日に30ETH(約851万1500ドル、1ドル145円換算)を下回り、2021年10月以来の最安値を更新した。

大手NFTマーケットプレイスのOpenSeaによると、BAYC作品の平均価格は下落。この背景には、NFT市場の全体的な冷え込みと、多くのNFTコレクションの価格上昇要因となり得るイーサリアム(ETH)価格が暗号資産(仮想通貨)の冬の長期化によって下落していることがある。Moonbirds、Azuki、Doodlesなどのほかの上位のNFTコレクションも、ここ数カ月は低迷している。

フロア価格の低下が続く

市場データ収集企業のコインゲッコー(CoinGecko)によると、BAYCのフロア価格は3日夜に27.4ETH(約768万5000円)まで下落した後、わずかに反発した。BAYCのフロア価格が最後に30ETHを下回ったのは2021年10月で、NFTブームの中フロア価格が高値更新まで急騰する直前だった。BAYCのフロア価格は2022年4月に153.7ETH(当時のレートで約5375万円、1ドル125円換算)に達している。

フロア価格は今年4月初めには64ETH(約1827万円)で推移していたが、その後半減。OpenSeaによると、本記事執筆時点で29.5ETH(約838万1000円)まで若干反発している。

フロア価格は、コレクション内のNFTに対して販売者が提示している最低価格であり、NFTプロジェクトの人気度を測る指標となっている。プラットフォームによって若干異なる場合がある。

OpenSeaによると、BAYCの取引高は過去24時間で38%減少した。データプラットフォームCryptoSlamのデータによると、BAYCの取引高は現在120万ETH(約3480億円)で、売上高で最大のNFTコレクションとなっている。

大規模な売却が相次ぐ

BAYCのフロア価格は4月に下落し始め、5カ月ぶりの安値となる55.6ETH(約1595万円)を記録。匿名のNFTコレクター、フランクリン(Franklin)氏がBAYC作品27点を売却したことが弱気のセンチメントを強めた。

先月、マチ・ビッグ・ブラザー(Machi Big Brother)として知られるNFTトレーダーのジェフリー・ファン(Jeffrey Huang)氏がBAYC作品50個を売却したため、コレクションのフロア価格はさらに下落。その中にはマーケットプレイスBlurで651ETH(約1億7400万円)近くで売却されたBAYC作品19点のセットが含まれていた。

|翻訳:CoinDeskJAPAN
|編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bored Ape Yacht Club NFT Floor Price Sinks to 20-Month Low