規制の強化と犯罪の発生を背景に自己保管が好まれるようになったため、取引所におけるビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の供給量は6月に減少した。ゴールドマン・サックス(Goldman Sachs)が4日のレポートで、オンチェーンデータを引用して報告した。
ビットコインの供給量は4%減少
ビットコインの供給量は4%減少。2021年の強気相場が始まる直前の2020年11月以来の最低水準となった2022年12月の水準に近づいたという。イーサリアムの供給量は5.8%減少し、2018年5月以来の水準となった。
ゴールドマン・サックスは、この傾向には多くの要因があるとし、「主要な現物の中央集権型取引所は規制の逆風に直面しており、投資家は警戒している。サイバーハッキングや盗難は暗号資産(仮想通貨)市場全体で懸念され続けており、資産保有者の自己保管を好む傾向が浮き彫りになっている。『自分の鍵でなければ、自分のコインではない』というよく知られた格言に沿ったものだ。特にイーサリアムの場合、ステーキングされたイーサリアムの引き出しが可能になったことで、受動的に取引所で保管するのではなく、ステーキングが好まれるようになった」と述べた。
マイナーのビットコイン売却は増加
ゴールドマン・サックスは、暗号通貨のパフォーマンスが好調になったことを契機に、ビットコインのマイナーが保有ビットコインを売却しており、6月は記録的な売却額となったと指摘。マイナーから取引所へのビットコイン流入総額は5月からほぼ2倍となり、9900万ドル(約143億5500万円、1ドル145円換算)に達したという。トレーディングビュー(TradingView)のデータによると、ビットコイン価格は約12%上昇した。
アドレス活動は回復
ゴールドマン・サックスのレポートによると、5月にネットワークの混雑が発生したが、6月には取引手数料が通常に戻ったため、ビットコインとイーサリアムの月間アドレス活動は回復し、それぞれ15.5%と37.5%増加したという。前月比でイーサリアムの1日当たりの平均バーン量は65.1%減少し、1日当たりの平均手数料は63.3%減少した。
6月には新たなオンチェーンアクティビティも増加。ビットコインとイーサリアムの1日平均新規アドレス数は前月比でそれぞれ9.8%と48.2%増加した。
|翻訳:CoinDeskJAPAN
|編集:林理南
|画像:Dimitris Vetsikas/Pixabay
|原文:Bitcoin, Ether Supply on Exchanges Fell in June: Goldman Sachs