イギリス財務省、デジタル証券サンドボックスに関する協議を開始

イギリス財務省が7月11日に発表した諮問文書によると、デジタル債券とデジタル株式は約5年間にわたり規制緩和の恩恵を受ける可能性がある。

イギリス政府は、分散型台帳技術(DLT)に基づく革新的な証券のための新たな「サンドボックス」は、市場をより効率的で透明性が高く、弾力的なものにすることができると述べ、2週間前に署名された新しい規則を適用したいと考えているという。

財務省の諮問文書では「デジタル資産の利用は金融市場に真の変革をもたらす可能性がある」と述べている。「既存の規制の成果を維持しながら、市場が安全な方法でメリットを享受できることが重要だ」。

イギリス財務省は「2023年金融サービス・市場法」に基づいて付与された新たな権限を示しながら、新たな技術によって証券取引が「既存の慣行から大幅に逸脱」し、夜間や週末に運用されたり、数日後ではなく即時に決済されたりする可能性があると述べた。

この緩和は最長で5年間実施され、少なくともデジタルの株式、債券、短期金融商品に適用されるが、デリバティブやビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)などの裏付けのない暗号資産(仮想通貨)」には適用されない。 当局者は規制の枠組みが進化していることを指摘している。

昨年、当時の財務大臣で現在は首相を務めるリシ・スナック(Rishi Sunak)氏は、イギリスを暗号資産のハブにしたいと述べた。その後、ステーブルコイン、暗号資産プロモーション、イングランド銀行が発行する可能性のあるデジタル・ポンドに関する提案がなされたが、業界からは、ライバル国と比べて政府の行動が遅いと不満の声が上がっている。

欧州連合(EU)の画期的な暗号資産市場規制は来年発効する予定であり、DLT証券取引をテストするパイロット・プロジェクトはすでに実施されている。

イギリス財務省は8月22日までの間、デジタル証券サンドボックス計画について意見を求めている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Chris James/Flickr
|原文:UK Treasury Starts Consultation on Five-Year Digital Securities Trial