EU規制当局、MiCAに基づく暗号資産関連規則の第一弾を発表

欧州証券市場監督機構(ESMA)は、欧州連合(EU)の暗号資産市場規制法(MiCA)に基づく新たな権限の最初の使用となる、EU内の暗号資産(仮想通貨)企業の認可方法に関する一連の詳細な提案を発表した。

ESMAの160ページに及ぶ提案には、暗号資産企業がユーザーの苦情をどのように処理すべきか、利益相反をどのように管理すべきかが含まれている。

2024年に施行されるMiCAは、暗号資産サービスプロバイダーまたはCASPとして知られるウォレットプロバイダーや取引所に、1つのライセンスでEU27カ国全体で運営することを許可し、他の資産の価値に連動するステーブルコインの準備金要件を設定する。この法律は2022年6月までにほぼ合意されたものの、ESMAは11月にFTXが破産申請を行ったことなど、その後の暗号資産セクターにおけるガバナンスやセキュリティの不備に関する疑惑に明らかに影響を受けている。

「暗号資産の世界における最近の崩壊のいくつかは、顧客の資金や暗号資産の悪用を示している」と文書は述べている。「メディアが報じているCASPにおけるハッキング攻撃では、しばしば顧客の暗号資産のかなりの量の盗難につながっている」。

ESMAはまた、9月20日まで続くコンサルテーションで、暗号資産企業の予想収益、ホワイトペーパーの数、オンチェーン取引とオフチェーン取引の利用に関する機密情報の提供を求めている。

ESMAによると、10月には持続可能性と記録管理を対象としたさらなる協議が予定されており、2024年初頭には、暗号資産がいつ証券とみなされるのか、外国企業がEUの顧客にどのようにサービスを提供できるようになるのかを検討する最終的な協議が予定されている。

同文書によると、申請者は顧客の資金と暗号資産が分別管理され、会社自身の勘定に使用されていないことを示さなければならず、ICTシステムと基礎となる分散型台帳技術のセキュリティについても詳しく説明しなければならないという。

また、取引プラットフォームを運営しながら顧客のために注文を執行する場合や、従業員が保有する暗号資産の発行者に関する機密情報にアクセスする場合など、顧客との利益相反の可能性を特定し、管理する必要もある。

このコンサルテーションは、欧州銀行監督機構(EBA)が、2024年6月に法定通貨と結びついた暗号資産を対象とする新たなルールが発効する時期に間に合うように、ステーブルコイン発行者にMiCAルールを予期するよう促したのと同じ日に行われた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:EU Securities Agency Issues First Batch of Detailed Crypto Rules Under MiCA Law