韓国、ブロックチェーンで売上をあげたテック企業は4社に1社未満

韓国でブロックチェーン案件を手掛けたテクノロジー企業のうち、実際に売り上げをあげた企業は4分の1未満。他のテクノロジーやソリューションへの新規投資の成功率をはるかに下回った。

この厳しい数字は、韓国情報通信産業振興院(NIPA)傘下のソフトウエア政策研究所が実施した2018年ソフトウエア産業調査(2018 Software Industry Survey)で明らかになった。レポートは2018年12月の日付になっているが、2019年8月26日に公開された。

「ブロックチェーンで売り上げを計上した企業は22.2%のみ。この数字はマーケットの高い関心が、まだ結果に結びついていないことを示している」とレポートは記した。

この調査結果は ── 少なくとも2018年末までは ── 大きな話題となったブロックチェーンが、まだ実を結んでいなかったことを示した。政府側の大きな関心、そしてブロックチェーン「支持」、仮想通貨 「不支持」を掲げた政策にもかかわらず、数多くの発表や覚書への署名以外にはほとんど何も起こらなかった。

レポートでは、ブロックチェーンに焦点をあてた198件の事例を調査、そのうち新たに開発した製品・サービスで売り上げをあげたのは44件のみだった。

ブロックチェーン案件を手掛けたほとんどの企業、198社のうち141社はITサービスを手掛けていた。だが、2018年に売り上げをあげたのはそのうち16社のみ、約11.4%に過ぎなかった。

インターネットソフトウエア関連の6社はすべて、ブロックチェーン案件で売り上げをあげた。ITサービス関連50社のうち、22社も売り上げも同様。調査で唯一のゲーム会社はブロックチェーン案件で売り上げをあげることはできなかった。

ブロックチェーン案件の結果は、今回の調査では群を抜いて悪いものだった。対照的に2018年、クラウドコンピューティング関連企業の60.2%が新しいソフトウエアとサービスで売り上げをあげた。

その他、いわゆるビッグデータ関連企業では、新しいソフトウエアとサービスで売り上げをあげたのは56.9%、一方、IoT関連企業では67.1%、AI(人工知能)関連企業では50.0%、VR(仮想現実)およびAR(拡張現実)関連企業では68.1%だった。

レポートは、ブロックチェーンは新たな技術開発全体において、最重要な領域ではなかったことも指摘した。ほとんどの動きは他領域だった。

新たなソフトウエアビジネスに取り組んだ企業のうち、ブロックチェーンを手掛けた企業はわずか8.4%だった。一方、クラウドコンピューティングを手掛けた企業は43.5%、ビッグデータは27.9%、IoTは25%だった(※なお、複数の事業を展開する企業が複数回答をしたため、合計は100%以上になっている)。

翻訳:新井朝子
編集:増田隆幸
写真:shutterstock
原文:Just 1 in 4 Blockchain Businesses in Korea Generate Sales