暗号資産データ会社CCDataの調査によると、機関投資家に向けた暗号資産(仮想通貨)ESGランキングでイーサリアム(ETH)がトップとなり、ソラナ(SOL)とカルダノ(ADA)が続いた。ビットコイン(BTC)はエネルギー使用量が多いために順位を落としている。
CCDataの第1回目となるESGベンチマークはCrypto Carbon Ratings Institute(CCRI)と共同で作成され、7月13日に発表された。このベンチマークは、分散化、セキュリティ、気候への影響などのパラメータを用いて、大規模で流動性の高い40の暗号資産を評価したものだ。
投資においてESG(環境・社会・ガバナンス)を重要視することは、特に機関投資家や大手資産運用会社の間でますます浸透しつつある。ESG関連の運用資産は2026年までに33兆9000億ドル(約4695兆円)に達し、世界の投資全体の5分の1を占める可能性があると、世界的な会計事務所プライスウォーターハウスクーパース(PwC)は昨年末の報告書で予測している。
米CoinDeskの「Consensus 2023」の出席者の多くは、暗号資産が新たな機関投資家の資金を獲得したいのであれば、ESGから隠れるのではなく、ESGも受け入れるべきだとしている。注目すべきは、ビットコインETFの登録を推進する最前線にいる資産運用大手のブラックロック(BlackRock)が、ESGに焦点を当てた投資の支持者であることだ。
CCDataはこのような需要の高まりに対応するため、暗号資産に特化した新しいスコアリングの枠組みを作成した。
「ESGベンチマークは、ESG要件を最優先事項と考える規制当局、政策立案者、メディアからの課題の指摘や批判に直面する業界の回復力向上に向けた重要な第一歩だ」とCCDataの報告書は述べている。
ベンチマークは、分散化、エネルギー消費、コミュニティへの参画を含むさまざまな指標を考慮し、暗号資産の環境、社会、ガバナンスのリスクと機会を測定した。そして、各指標のポイントを集計し、最大100ポイントの総合スコアで加重平均し、AA(最高)からE(最低)までの最終評点をつけた。
報告書では、BB以上のグレードを持つ暗号資産がトップクラスとみなされている。
イーサリアムはAAグレードを獲得した唯一のブロックチェーンであり、3つのESG要因すべてにおいて良好なパフォーマンスを示した。報告書によると、これは同ネットワークが最近プルーフ・オブ・ステーク・テクノロジーに移行し、マイニングの廃止によってエネルギー消費量が削減されたことが一因になっているという。
ソラナ、カルダノ、ポルカドット(DOT)は分散化に優れており、最上級のAグレードを与えられた。
ビットコインはBグレードで、社会性とガバナンスの面で高得点を獲得したが、エネルギー消費とハードウェアの必要性が大きいと非難された。
「この格付けは全体的な優位性を意味するものではなく、ESGパラメータに従って暗号資産をランク付けする手段を表すものだ」と報告書は述べている。 「我々は、投資家が情報に基づいた意思決定を行い、高い ESGスコアを保持する資産にリソースを割り当てるために必要なツールを提供する」。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CCData
|原文:Ethereum Tops New Crypto ESG Ranking, Bitcoin Slammed for Heavy Energy Usage