決済に特化した暗号資産(仮想通貨)エックス・アール・ピー(XRP)がバイナンスコイン(BNB)を抜き、時価総額で世界4位の暗号資産になった。
米CoinDeskのデータによると、記事執筆時点でXRPの時価総額は414.4億ドル(約5兆7470億円)で、過去24時間だけで66%も急増している。一方、BNBの時価総額は6.5%増の405.7億ドル(約5兆6260億円)だった。XRPの価格は47セントから78セント近くまで急騰した。
XRPの販売をめぐるアメリカ証券取引委員会(SEC)との長期にわたる法廷闘争でリップル(Ripple)が部分的に勝利したことが、暗号資産の急騰を後押しした。
7月13日、ニューヨーク南部地区連邦地方裁判所は、リップル社の暗号資産取引所におけるXRPの提供・販売は、SECが申し立てたような投資契約の提供・販売には当たらないと述べた。
しかし裁判所は、リップル社が機関投資家やヘッジファンドなどに7億ドル(約971億円)以上のXRPを直接販売したことは証券取引法に違反するとした。SECは2020年後半、リップル社が13億ドル(約1800億円)相当のXRPを販売した後、未登録証券を販売したとしてリップル社を提訴した。この規制措置により、いくつかの取引所はXRPの上場廃止を余儀なくされ、暗号資産はプレッシャーにさらされ続けた。
判決の最初の部分は、中央集権的な取引所でのXRPの再上場の扉を開いた。Crypto.comは既にこのステップを踏んでおり、ジェミナイ(Gemini)はスポット取引とデリバティブ取引の両方でXRPの上場を模索している。
一方、資産運用会社コインシェアーズ(CoinShares)のチーフ・プロダクト・オフィサー、タウンゼント・ランシング(Townsend Lansing)氏によれば、判決はその第二部ではXRPが証券であると判断している。
「裁判所は、特に機関投資家への直接販売に関して、リップル社が証券取引法に違反していると判断した。そのため、XRPは有価証券とみなされるだけでなく、その販売の合法性に関しても疑問が生じている。これらの販売に関して、裁判所は確かに法律違反があったことを認め、証券取引委員会(SEC)にとってかなりの勝利となり、他の暗号資産に対する法的措置の先例になった」とランシング氏は電子メールで述べた。
「リップル社から直接購入した機関投資家は、潜在的な引受人として集団訴訟の対象となる可能性があることに注意が重要だ。特に大物ベンチャーキャピタルが関与していた場合、この点は注意深く見守る必要がある」とランシング氏は付け加えた。
トレーダーはまだ判決の第二部に注目していない。価格の高騰や永久先物市場の強気なポジショニングからも明らかだ。
永久先物は、有効期限や決済日のない標準的な先物契約のようなものである。
Coinglassのデータによると、世界の永久先物の出来高加重平均資金調達率は、少なくとも12月以来の高水準に急上昇した。建玉加重平均資金調達率も4カ月ぶりの高水準に上昇した。
両者とも、レバレッジが完全に強気側に偏っていることを示唆している。
資金調達率(ファンディング・レート)とは、永久先物市場における強気のロング・ポジション保有者と弱気のショート・ポジション保有者の間で定期的に行われる資産の支払いのことだ。これがプラスであれば、ロングが優勢であり、ポジションを維持するためにショートに資金を支払っていることを意味する。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CoinDesk Indices
|原文:XRP Overtakes BNB to Become 4th Largest Cryptocurrency; Funding Rates Surge