決済に特化した暗号資産(仮想通貨)エックス・アール・ピー(XRP)は、主要な価格抵抗線を上回り、持続的な上昇の扉を開いた。これは市場のリーダーであるビットコイン(BTC)にとって強気の先例となった。
XRPは先週60%近く急騰し、2021年8月以来最高のパフォーマンスを記録した。この上昇により、価格は週足チャートで一目均衡表の「雲」と呼ばれるテクニカル分析指標を力強く上回り、強気のブレイクアウトが確認された。
ビットコインはまだその偉業を達成していない。
「XRPの『雲』のブレイクアウトは、ビットコインにとって良い先例だと見ている」とテクニカル分析調査会社フェアリード・ストラテジーズ(Fairlead Strategies)の創設者兼マネージング・パートナー、ケイティ・ストックトン(Katie Stockton)氏は顧客向けのメモで述べた。
日本のジャーナリストで株式評論家の細田悟一が1960年代後半に考案したのが「一目均衡表」で、トレーダーやアナリストが支持線と抵抗線を特定し、トレンドの変化を測るために広く使用されている。
この指標は価格の移動平均をベースにした5本の線、先行スパンA、先行スパンB、転換線、基準線、遅行スパンで構成されている。先行スパンAと先行スパンBの間のスプレッドは雲と呼ばれる。
雲の上に出たり、下に回ったりする動きは、強気または弱気へのトレンドの変化を表すと広く受け止められている。
XRPは一目均衡表の雲の上に足場を築いたが、ビットコインは雲の中の狭いレンジに閉じ込められたままだ。トークンのブレイクアウトは、今後のさらなる上昇を示唆している。
「XRPのこの動きは、1年間続いたベースラインを解消するもので、意味がある。中期的なモメンタムはポジティブで、(驚くことに)上値が尽きる兆候はなく、上値追いをサポートして、次の抵抗線は0.92ドル近くになるだろう」とストックトン氏は指摘する。
同様の強気見通しが、一目均衡表の雲の高い位置にあるビットコインを待ち受けており、次の抵抗線は3万1900ドルだ。
記事執筆時点では、XRPは82セント付近で取引され、ビットコインは3万300ドル付近で取引されていた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:XRP Moving Above ‘Cloud’ Resistance is Bullish Precedent for Bitcoin: Analyst