トークン化コレクションプラットフォーム「Americana」は7月21日、「コンシェルジュ保管庫」サービスを発表、高級コレクションを保管するスペースの問題に対するオンチェーン・ソリューションを構築した。
新サービスを使えば、コレクターは貴重なコレクションを空調管理された保管庫に預け、ブロックチェーンを使った資産管理システムを活用できる。Webサイトには、このサービスは高級コレクションを認証し、高度なセキュリティを備えた施設への輸送を調整すると記されている。
ビンテージカー、限定版スニーカー、高級美術品、高級陶磁器、そして「それらに似たあらゆるもの」に対応するという。
Americanaでの保管を希望する人は、専用の受け入れプランを作成するためにチームによるコンサルテーションを受ける必要がある。厳密な鑑定と受け入れプロセスが完了すると、各資産には固有のデジタル鑑定書が発行される。
ユーザーはWebサイトを通して、自身のコレクションを披露したり、アイテムを出品したり、オファーを受け付けることができる。
同社は、レディット(Reddit)の共同創業者アレクシス・オハニアン(Alexis Ohanian)氏が立ち上げたVC「Seven Seven Six」とNFTマーケットプレイス大手「OpenSea」の支援を受け、2022年5月に690万ドル(約9億7000万円、1ドル140円換算)のシード資金を調達した。
また、ベータ版サービスへの早期アクセス権を付与するメンバーシップNFT「Something Token」を販売。用意した9500個のNFTは完売、価格は0.069ETH(当時約130ドル)だった。当記事執筆時点では、フロア価格は0.015ETH(約28ドル)まで下落している。
Americanaのジェイク・フレイ(Jake Frey)CEOは、以前はデジタル製品を専門とするデザイン・スタジオを設立し、アップル(Apple)、スナップチャット(Snapchat)、ショッピファイ(Shopify)、ツイッター(Twitter)と仕事をしてきた。プレスリリースでは、ハイエンドな収集品の売買や保管に関連する摩擦を取り除くために作られたと述べている。
「Americanaでは、物理的な品物にデジタルな高級さを加えている。ギャップを埋めることで、私たちはデジタル世界の興奮と利便性を有形のコレクションにもたらす。両方の最高のものを融合させることで、さらに高度な体験を提供する」
まずは、現代アーティストのダスティン・イェリン(Dustin Yellin)氏、ダニー・コール(Danny Cole)氏、トム・サックス(Tom Sachs)氏をはじめとする、選ばれたクリエイターが検証済みコレクターズ・アイテムを提供できるようにする。プラットフォームは、メンバーシップNFTを保有にかかわらず、すべてのコレクターが閲覧できる。
Artist Spotlight: Step into Tom Sachs’ trans-dimensional Rocket Factory on Americana’s Beta platform. Where NFTs became Physical Sculpture and were launched into a singular art experience. Stay tuned for more artist showcases and updates on our public launch. pic.twitter.com/hTpicD1WXT
— Americana (@AmericanaNFT) June 21, 2023
Americanaはまた、二次ロイヤリティの取り扱いを確実に実施し、最近、二次ロイヤリティを縮小している競合他社との差別化を図る。
NFTをめぐる動きとしては、2月、メタバース・プラットフォーム「ディセントラランド(Decentraland)」は第2回「メタバース・ファッション・ウィーク」を開催。ドルチェ&ガッバーナ、トミー・ヒルフィガー、アディダスなどによるデジタルファッションを紹介した。
6月には、Web3ファッション・プラットフォーム「SYKY」が、次世代のデジタル・デザイナーを育成するための1年間のインキュベーター・プログラム「SYKY Collective」を開始している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:コンシェルジュ保管庫(Americana)
|原文:Tokenized Collectibles Platform Americana Is Bringing High-End Physical Items On-Chain