ビットコイン、FRBの利上げ再開で一時2万9600ドルまで上昇

ビットコイン(BTC)をはじめとする暗号資産(仮想通貨)はアジア時間27日朝、広く上昇した。ビットコインは24時間で0.8%上昇、2万9470ドル付近。米連邦準備制度理事会(FRB)が予想通り金利を引き上げたものの、それでもインフレ抑制策はほぼ完了したのではないかとの楽観的な見方は払拭されなかった。

コインデスクのデータによると、FRBが金利を0.25%引き上げると決定したことをうけて、ビットコインは一時2万9673ドルまで上昇した。暗号資産市場全体の指標であるCoinDesk Market Index(CMI)は1.2%上昇。イーサリアム(ETH)は0.5%上昇。

だが上昇にもかかわらず、ビットコインは7月の高値3万1800ドルから大きく下落したままであり、過去1年、大きな値動きの要因となったマクロ経済イベントにはほとんど反応しなかった。

FRBの発表は「暗号資産に関するストーリーを変えるものではない」とWeb3投資ファンド、Generative Ventures(ジェネレイティブ・ベンチャーズ)のマネージング・パートナー、レックス・ソコリン(Lex Sokolin)氏は述べた。

「我々はすでにリスクオフ環境にある。戦争や景気後退で事態がさらに悪化する可能性はあるが、ハイテクと金融はかなり安定した、抑えられた評価額になっている。AIはおそらく例外だ」

ソコリン氏は「あと数回の利上げ」を予想しているが、「最も困難な取り組みは、コロナ禍でのサプライチェーン・ショックとそれを補助するための資金供給の影響を収めることだったが、完了した」

暗号資産市場全般では、多くのアルトコインが上昇を維持し、プラスとなった。コンパウンド(COMP)は13%以上、ステラルーメン(XLM)は11%以上、ソラナ(SOL)は8%以上上昇した。

一方、ドージコイン(DOGE)は4.3%以上下落し、前日からの2桁の上昇から反落した。

パウエルFRB議長は26日の記者会見で「我々は、この展開を見守るなかで、毅然とした態度で臨むだけでなく、少し寛大になる余裕がある」「当面は、政策を制限的な水準で維持する必要があると考えており、適切だと考えれば、さらなる引き上げも準備している」と述べた。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Surpasses $29.6K After Fed’s Rate Hike; CoinDesk Market Index Jumps 1.2%