コインベースのレイヤー2ネットワーク上のミームコインが急騰──500ドルが100万ドルになったトレーダーも

双方向トークンブリッジの欠如、分散型取引所(DEX)のぎこちないユーザー体験、そしてネットワークが一般公開されていないにもかかわらず、暗号資産(仮想通貨)トレーダーは一財産を築くことを期待してコインベース(Coinbase)のレイヤー2ブロックチェーンへの道を進むことを躊躇していない。

暗号資産取引所のコインベースがオプティミズムが提供するオープンソースツール「OP Stack」を使って開発した「Base」は、1月にテストネットを立ち上げ、7月中旬にアプリケーションの提出を基にビルダーに開放された。これまでのところ、Base上で稼動したDEXはわずかで、トラクションは乏しかった。

しかし、潮目は7月29日に変わった。クリプトツイッターの@cheatcoinerが、コインベース・ステーク・イーサ(cbETH)によって資金提供されたミームコイン、BALDについて最初にツイートし、供給の2%を獲得したと述べたのだ。

このようなツイートは一般に「コール」と呼ばれており、そのほとんどはインフルエンサーがトークンを誇大宣伝し、疑うことを知らないフォロワーに高値でトークンを売りつけることを目的にしている。 しかし、cbETHの使用により、暗号資産取引サークルの間では、このトークンがコインベースの誰かによって発行された可能性が高いという憶測が生まれた。

その後に起きたのは強気市場のスピードランだった。トレーダーの間で人気が高まり、6時間足らずでトークンの時価総額は5000万ドル(約71億円)に達した。 日曜日遅くには8500万ドル(約121億円)に達し、@cheatcoiner は500ドル(約7万1000円)の投資から140万ドル(約2億円)以上の利益を得た。

発行からピークまでの価格上昇率は400万%だった。

BALDの開発者がこの暗号資産をイーサリアム(ETH)を交換する流動性プールにさらにETHを追加し続けたため、BALDの流動性は急速に増加した。7月31日の時点で、この取引ペアは3200万ドル(約45億5000万円)以上の流動性を保持しており、取引高は1億ドル(約142億円)を超えている。

そのため、この宝くじに当たったのは@Cheatcoiner だけではなかった。オンチェーン分析会社Lookonchainは31日、4つのウォレットアドレスがトークン発行から4分以内に5000万BALDを購入するために累計0.534イーサ、つまり1万ドル(約142万円)強を転送したと発表した。

これらのアドレス(開発者に紐づくインサイダーウォレットである可能性が高い)は、取引量が増加するにつれて、554ETHに対して3700万ドル(約52億6300万円)分のBALDを販売し、1日足らずで100万ドル(1億4200万円)の利益を上げた。

ただし、これらの利益のうちどれだけがBaseから流出するかはまだわからない。31日の時点では、イーサリアムからBaseに資金を移動する一方向の方法のみがあり、他の方法は公式にサポートされていない。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Trader Turns $500 to Million-Dollar Fortune With BALD Memecoin on Coinbase’s Blockchain