アメリカの雇用統計は今週の経済カレンダーのハイライトとなるだろう。
投資家は、雇用市場の冷え込みと成長鈍化の兆候が続くかどうかを見極めたいと考えている。これは、 インフレが弱まりつつあることを示唆し、リスクオンの資産市場を押し上げる可能性がある。通常、物価上昇に伴う雇用統計の悪化は、7月26日に金利を0.25%引き上げたアメリカ連邦準備制度理事会(FRB)にとって特に懸念材料になるものだ。
最近の生産性と消費支出に関するレポートは、より明るいものになっている。7月29日にアメリカ商務省が発表した個人消費支出(PCE)は3%と予想を下回り、1年前の6.8%から低下した。
その他の発表としては、アメリカ労働省と全米供給管理協会(ISM)が8月1日に、それぞれ6月の雇用動態調査(JOLTS)と製造業景況指数を発表する予定だ。 また、ADPは8月2日に民間部門の雇用状況を報告し、労働省は3日に失業保険申請件数を発表する。 同じ日には、アップル(Apple)とアマゾン(アマゾン)が最新四半期決算報告がある。
JOLTS, ISM製造業景況指数
5月の求人数980万件は4月の求人数1030万件から減少したが、一部の観測筋が期待していたほどではなかった。 ISMの予測中央値は、製造業活動が6月の46%から46.9%に若干上昇するとみている。 7カ月連続の減少の後、初めての増加となる。
ADP民間雇用者数
給与計算会社のオートマティック・データ・プロセッシング(ADP)社の民間部門の雇用に関する月次報告は、雇用市場の状態を示す重要な指標だ。7月の報告書では雇用者数が17万3000人増加すると予想されており、予想外に高かった6月の49万7000人から減少しているが、これは予想の2倍以上であり、おそらくFRBが利上げする最も説得力のある理由となった。
失業保険申請件数、非農業部門雇用者数
今月の初めての失業保険申請件数は、雇用市場低迷の兆候を探っていた観測筋を失望させた。7月22日に終わる週の22万1000件は、前週を約7000件下回り、7月は毎週減少している。7月29日に終わる週の予測は、22万7000件と若干の上昇だ。
アップルとアマゾンの決算報告
多くのハイテク企業の好決算が主要株価指数を押し上げた。今週、投資家は8月3日のアマゾンとアップルの四半期決算に注目することになるが、暗号資産(仮想通貨)とハイテク株の乖離はますます進んでいる。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Department of Labor
|原文:Crypto Catalysts: Jobs Data to Highlight the Week’s Macro Releases