この夏、大ヒット中の映画『バービー』の主演女優マーゴット・ロビーが今週、夫に向けた冗談半分の発言の中で、ビットコインを「Ken thing(バービーの恋人、ケンが興味を持つようなこと)」と形容した。この発言に私は考えさせられた。バービーはきっと、ビットコインのファンになるはずだから。
自律性、起業家精神、エンパワーメントというバービーのレガシーは、ビットコインの原則とぴったり一致している。
女性のエンパワーメントの象徴としてのバービー
バービーの物語は1959年に始まる。女性が経済的に自立するには、社会的にも法的にも大きな障壁があった時代だ。女性が独立して銀行口座を開設する権利を認めた信用機会均等法が施行されるのは、まだ15年も先のことだった。にもかかわらず、バービーはアイドルとなり、女性のエンパワーメントの象徴となった。この物語は、グレタ・ガーウィグ監督の最新作で見事に再構築された。
バービーは矛盾に満ちている。物質主義的でありながら良きロールモデルであり、超フェミニンでありながら断固として自立しており、文字通り人形でありながら、それ以上の存在でもある。彼女は数え切れないほどの障害や偏見を乗り越えつつも、一方で他のそれらを強化し、究極的にはエンパワーメントが必ずしも決められた脚本に沿ったものではないことを示した。
バービーはどのようにして、銀行口座を持たないような存在から、世界中で誰もが知る存在となり、エンパワーメントのモデルとなったのだろうか?
バービーのレガシーで最も魅力のある側面のひとつは、ビジネスウーマンとしての彼女だ。長年にわたり、彼女は宇宙飛行士、医師、コンピューターエンジニアとして、業界や職業を超えたリーダーであり続けてきた。ジェンダーの固定観念を打ち破り、誰もが自分の心に決めたことなら何でも達成できることを実証した。
おそらく最も重要なことは、彼女が若い女の子や女性に、自分の財産を自分で管理するよう力強い模範を示したことだろう。
バービーの起業家としての旅とビットコインの原則を比べると、経済的自立とセルフ・エンパワーメントの追求が共通していることがわかる。分散型デジタル通貨であるビットコイン(BTC)は、伝統的な金融機関に依存することなく、個人が自分の経済的未来を管理することを可能にする。先駆者であり、独立した考えを持ち、積極的なバービーならもちろん、ビットコインに価値を見出すだろう。
ビットコインは男性だけのものではない
バービーがジェンダー規範に挑戦し、境界を押し広げたように、ビットコインは女性が男性優位の金融界に挑戦する手段となり得る。ビットコインは、女性起業家が変化の激しいスタートアップ分野に参入し、主導権を握ることを可能にする。バービーもそれを誇りに思うだろう。
バービーを手がけるマテル社は次に、サイファーパンク(社会変革の手段として暗号資産の利用を推進する人)のバービーや、暗号資産の未来研究者のバービーを検討すべきかもしれない。
ビットコインは男性だけのものという誤解を解くには、フィンテック分野における女性の功績を宣伝することが重要だ。コミュニティ内の女性パイオニア、トレーダー、開発者、インフルエンサーを認識し、称えることは、より包括的な環境を育む。
バービーの起業家精神は、ビットコインの原則と一致している。成功したビジネスウーマンとしての彼女の道のりを紹介することで、バービーのエンパワーメントとビットコインが提供する機会の間に類似点を示すことができる。
私たちは、おそらくバービーのメッセージに触発されたであろう、より多くの女性たちにビットコインも受け入れるよう奨励すべきだ。
ビットコインは経済的自立への道、そう「Barbie thing」だ。
|翻訳・編集:山口晶子、増田隆幸
|画像:Elena Mishlanova/Unsplash(CoinDeskが加工)
|原文:Bitcoin Is ‘Big Barbie’ Energy