- ビットコインは、前日の上昇分の大半を戻し、2万9200ドル超えで安定した。
- 主要アルトコインはおおむね下落しており、ビットコインキャッシュとユニスワップはそれぞれ5%以上、6%以上下落した。
3日のアジア市場が開くのを前に、過去24時間のビットコイン(BTC)の急激な価格の往復は少なくとも現時点では終わったかのように見え、2万9207ドル(約408万9000円、1ドル140円換算)で取引されている。値動きはほぼ横ばいで、先週7月からほとんど動きがない500ドル幅の狭いレンジに戻った。
さまざまな要因で変動
信用格付け会社のフィッチ(Fitch)による米国債格下げとマイクロストラテジー(MicroStrategy)による追加ビットコイン購入計画の報道が出る中で2日には3万ドル超えの急騰が起きていたが、投資家は業界固有の出来事やマクロ的な出来事を無視したようだ。しかしその後、ニュースメディアのSemaforが、バイナンス(Binance)が連邦の刑事告訴を受ける可能性があると報じたことを受け、ビットコインは2万9000ドルを下回った。
Sei Labsの共同創設者であるジェフ・フェン(Jeff Feng)氏はCoinDeskに対し、ビットコインETF(上場投資信託)やイーサリアムETFが複数申請されていることを含めて最近はニュースが入り乱れており、それが暗号資産市場の変動に影響を及ぼし、さらに大きな価格変動を引き起こす可能性があると指摘した。
フェン氏は、「我々は、企業投資、規制の進展、マクロ経済の変化、ETFのような金融商品を通じたアクセス向上の可能性など、多数の影響力のある要因が働いているのを目の当たりにしている」と指摘。「マイクロストラテジーによるビットコインへの継続的な投資は確かに彼らのコミットメントを強調しており、デジタル資産に対する企業の関心を強固にするのに役立っている。これは、ビットコインの半減期に関する期待と併せて市場の行動に影響を与えている。トレーダーがそうしたマイルストーンを潜在的な材料と見なすことが多いためだ」と述べた。
フェン氏はまた、 「レンジ内にあるように見えるこうした期間は、実際にはより大きな市場変動の前兆である可能性がある。個人トレーダーから機関投資家に至るまで、あらゆる市場参加者にとって、多面的な影響について常に最新の情報を得ることが重要だ」とコメントした。
主要アルトコインは下落
一方、イーサリアムは1842ドル(約25万8000円)で推移しており、こちらも過去24時間でほぼ横ばいとなっている。他の主要な暗号資産は、市場全体が好転する中で急騰した後、3日にはほぼ下落に転じた。分散型取引所(DEX)ユニスワップ(Uniswap)のトークンであるユニスワップ(UNI)とビットコインキャッシュ(BCH)は直近で、それぞれ6%以上、5%以上下落した。
ライトコイン(LTC)は、半減期を迎えたにもかかわらず直近で6%近く急落した。CoinDesk Indicesのデータによると、ライトコインは1カ月前に記録した年間最高値から22%下落している。
暗号資産市場全体のパフォーマンスを表すCoinDesk Market Index(CMI)は直近で0.5%下落した。CMIはマイナスからプラスに転じ、再びマイナスに戻った。
暗号資産デリバティブ取引所の最高商務責任者(CCO)であるルーク・ストライアース(Luuk Strijers)氏は、ビットコインとイーサリアムのデリビット・ボラティリティ・インデックス(DVOL)は現在「前例のない低水準」で取引されていると指摘。イーサリアムのDVOLがビットコインのDVOLを下回って取引されているのはまれな出来事であり、「一人のクジラの活動が原因の可能性が高い」と述べた。DVOLは、デリビットのオプションオーダーブックを使用して計算されたビットコインの30日間のインプライド・ボラティリティ(IV)を測定するもの。
ストライアース氏は一方で、「市場はボラティリティの大幅な上昇を予想している。これは主に、ブラックロック(Blackrock)によるスポットETFに関する判決が今後出されることやビットコインの半減期が近づいていることなどが要因だ」とも述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk Indices
|原文:Bitcoin Seesaws Back Over $29.2K, as Investors Brush Off Binance Angst; BCH, UNI, LTC Sink