「東方神起」「少女時代」所属の韓国芸能事務所、独自仮想通貨の発行を計画

韓国3大芸能プロダクションの1つ、SMエンターテインメントは、株主からの反発と株価の下落と戦う中、独自のブロックチェーンネットワークの構築、およびネイティブ仮想通貨の発行を計画している。

SMエンターテインメントのテクノロジー部門「CT-AIラボ(CT-AI Labs)」のディレクター、ジュ・サンシク(Joo Sang-sik)氏が2019年9月4日(現地時間)、仁川で開催された「アップビット・ディベロッパー・カンファレンス(Upbit Developer Conference)」で発表した。韓国メディア、IT朝鮮(IT Chosun)が報じた。

「東方神起」「少女時代」を仮想通貨で応援?

仮想通貨を通じてアーティストの活動に投資できるようにし、ファンがエコシステムにより携わることを可能とするブロックチェーンネットワークの開発を同社は目指していると、ジュ氏は明かした。

同氏は、技術面に関しては具体的なことをあまり明らかにしなかった。しかし、同社はパブリック・ブロックチェーンとプライベート・ブロックチェーンの両コンセプトを活用しようとしており、現在ネットワークの構築に向けてパートナー候補と協議を進めている、と述べている。

エンターテインメントビジネスは現状、非効率的な決済システムを利用しており、ブロックチェーンがその解決に役立つことができる、と同氏は言う。

韓国で最も重要な輸出品の1つとなりつつあるKポップ界において、SMエンターテインメントは一大勢力。同社は1995年に、「文化大統領」とも呼ばれる李秀満(Lee Soo-man)氏によって創業された。同社には、少女時代、EXO、レッドベルベッド(Red Velvet)らが所属している。

SMエンターテインメントは、韓国の証券取引所に上場しており、時価総額は約6億ドル(約640億1800万円)。同社は最近、その財政や一部の経営判断を巡って株主から懸念の声を受け、経営陣の交代を行った。同社の株価は2018年11月から43%低下している。

Kポップ業界でブロックチェーン技術の利用を提案したのは、SMエンターテインメントが初めてではない。

2018年末、ブロックチェーン上でKポップ関連の仮想通貨トランザクションを可能にすることを目的としたるプラットフォーム「コファン(Ko-fun)」が発表された。韓国の人気ポップグループ、BTS(防弾少年団)にちなんだ「BTSコイン」など、アーティストごとにコインを作成することが狙いだ。

翻訳:山口晶子
編集:町田優太
写真:Shutterstock
原文:K-Pop Music Giant SM Entertainment Is Planning Its Own Cryptocurrency