ケニアの警察は8月5日、暗号資産(仮想通貨)プロトコルであるワールドコイン(Worldcoin)のナイロビの拠点を捜索し、書類と機械を押収したと、地元の報道機関が8月7日に報じた。
ワールドコインはOpenAIのサム・アルトマン(Sam Altman)CEOによって共同設立され、虹彩スキャンを使ってユーザーを認証する。7月のプロジェクト立ち上げ後、ユーザーはスキャンされることと引き換えにトークンのエアドロップを受けることができた。
「ケニアの複数の省庁に支援された警察当局は8月5日、捜索令状を携えてモンバサ・ロード沿いのオフィスに行き、同社が収集したデータが保存されていると思われる機械を持って立ち去った」と同国のメディア「Kahawatungu」は報じている。
家宅捜索は、データ保護委員長のイマキュレート・カセイト(Immaculate Kassait)氏の監督下で行われたと伝えられている。しかし、データ保護委員会(ODPC)の担当者は米CoinDeskに、そのような作戦は知らなかったと語った。
先週、ケニアのデジタル経済担当大臣であるエリウド・オワロ(Eliud Owalo)氏は、ODPCが4月の時点でワールドコインと接触しており、その活動はケニアのデータ保護法を遵守していると結論づけたと述べた。しかし、週明けにODPCは声明を発表し、予備的な検証の結果、このプロジェクトに関して「多くの正当な規制上の懸念」が見つかったと述べた。イギリス、フランス、ドイツの当局もこのプロジェクトを調査している。
7日の報道によると、ワールドコインの親会社であるTools for Humanityは、登録の際にその真意を公表しなかったとカセイト氏は述べている。警察のチームは、分析のためにデータを犯罪捜査局本部に持ち込んだという。
ワールドコインは米CoinDeskのコメント要請にまだ応じていない。CoinMarketCapのデータによると、ワールドコインのトークン、WLDは2.07ドルで、この24時間は横ばいだった。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:ワールドコインの虹彩スキャン技術は規制当局から疑問視されている。(Danny Nelson/CoinDesk)
|原文:Worldcoin’s Nairobi Warehouse Raided by Kenyan Police: Local Reports