ミュージシャンのグライムス、NFT収入が音楽キャリアを上回る:Wired

ミュージシャンでアーティストのグライムス(Grimes)は、2021年に行ったNFT(non-fungible tokens)への投資が大きな収入源のひとつとなったことを明かした。

雑誌「Wired」のインタビューでグライムスは、音楽キャリアを通じて稼いだよりも、NFTでより多くのお金を稼いだのかという質問に対して、シンプルに「Yes」と答えた。

2021年のNFT人気のなか、グライムスはNFTマーケットプレイスのNifty Gatewayで自身のNFTコレクション「War Nymph」を販売し、約600万ドル(約8億4000万円、1ドル140円換算)を売り上げた。このNFTコレクションは、彼女の音楽に合わせて作られたデジタルアート作品と、約40万ドル(5600万円)で販売された1点もののミュージックビデオを特徴としていた。

今年、NFT取引高は年初から50%近く下落し、ポップカルチャーの中ではすっかり下火となっている。しかしグライムスはNFTが復活し、アーティストが自らの作品で利益を得られるようになることを望んでいるとWiredに語った。

「NFTや暗号資産が、お金を可能な限りたくさん稼ごうとする人たちによって急激に汚染されてしまったことは悲しい」と述べ、さらに「しかし私はアーティスト、特にデジタルアーティストの収入の補填について考えたい」と語った。

グライムスはNFTだけでなく、Web3にも積極的だ。2021年10月、アーティストのリル・ナズ・X(Lil Nas X)、インフルエンサーのベラ・ポーチ(Bella Poarch)と、TikTokのNFTコレクション「Top Moments」に動画を提供。2022年3月にはスペインで開催されたアバランチ・サミット(Avalanche Summit)で講演し、Web3 AI(人工知能)プラットフォームOP3Nのサポートと、アバランチからの1億ドルの支援を受けて、メタバース児童書を制作するプロジェクトについて説明した。

彼女はまた、AI全般に対しても前向きだ。ファンにAIで彼女の声を再現して音楽を作り、ロイヤリティを折半することを提案。実験から生まれた作品に感銘を受けたと語っている。

|翻訳:吉見朋子
|編集:増田隆幸
|画像:デイビッド・ルーベンシュタイン氏(Shutterstock)
|原文:Grimes Made More Money From NFTs Than From Her Entire Music Career: Wired