- イーサリアムのブロックチェーン上でのトランザクション手数料が、12月以来の最低水準に低下した。
- コインベースのレイヤー2「Base」上に構築されたFriend.techでの活動が活発化する中で起きたものであり、スケーリングソリューションの人気の高まりを示している。
ブロックチェーン分析会社CryptoQuantのデータによると、イーサリアムブロックチェーン上で取引を実行するためにユーザーが支払った1日当たりのトランザクション(取引)手数料の総額が27日に1719ETH(約4億600万円、1ドル145円換算)に減少。8カ月ぶりとなる12月26日以来の最低水準で、5月5日に記録された年初来高値の1万6720ETHからは89%の減少となる。
レイヤー2の人気上昇によるもの
イーサリアムブロックチェーンでは、基本手数料に加えて、トランザクションの処理が優先される優先手数料を設定することができる。手数料はネットワーク内の活動のレベル、主に保留中のトランザクションの数によって決定されるため、支払われた総額の減少はネットワークの使用が少ないことを示す。
しかし、8カ月ぶりの手数料の低さはおそらく、イーサリアムブロックチェーンのレイヤー2スケーリングソリューションの人気の高まりによるものであり、イーサリアムブロックチェーンにとって長期的には前向きな展開だ。
FalconXのリサーチ責任者、デビッド・ラワント(David Lawant)氏は先週、「Friend.techが8月10日にローンチされて以来、イーサリアムブロックチェーンのレイヤー1の手数料は今年これまでの平均より25%低くなっている。これは初期のNFTアプリケーションであるクリプトキティーズ(CryptoKitties)の人気が高まったときや最近のYuga Labs(ユガラボ)のNFTの販売の際には一般的にイーサリアムネットワークが一時的に詰まっていたこととは全く対照的だ」と述べた。
ラワント氏はまた、「より広い観点から見ると、こうした成功を収めたアプリケーションが、基盤となるブロックチェーンネットワークを混雑させることなく有意義な牽引力を獲得しているのを見るのは心強いことだ。もちろん、これはイーサリアムのレイヤー2スケーラビリティソリューションの開発を背景にしている。Friends.techは、オプティミズム(Optimism)のスタックを使用するコインベースのレイヤー2ブロックチェーンであるBaseの上に構築されている」と指摘した。
Friend.techの人気の高まり
Friend.techは8月1日にローンチされ、2週間のうちに10万人以上のユーザーを獲得し、2500万ドル(約36億2500万円)以上の収益を上げた。オプティミズム(Optimism)、アービトラム(Arbitrum)、Baseなどのレイヤー2スケーリングソリューションは、イーサリアムブロックチェーンのスケーリングに役立ち、混雑を軽減し、メインネットでのトランザクションコストを抑制できる。
分析会社IntoTheBlockのデータによると、オプティミズムのメインネットの1日当たりのトランザクション数は、8月15日に過去最高の約90万件を記録した。さらに、オプティミスティック・ロールアップ技術を使用してイーサリアムメインネットと主要なレイヤー2の間で処理されたトランザクション数は、今月初めに過去2番目に多い値に達した。
IntoTheBlockは8月18日、「レイヤー2間の競争が激化するにつれ、イーサリアムブロックチェーンが利益を得ることが明らかになった」と述べた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:IntoTheBlock
|原文:Ethereum’s Daily Transaction Fees Drops to 8-Month Low of $2.8M