インド最大のコングロマリット、リライアンス・インダストリーズ(Reliance Industries)は、ブロックチェーンと中央銀行デジタル通貨(CBDC)の分野に参入すると、同社会長でアジアを代表する大富豪のムケシュ・アンバニ(Mukesh Ambani)氏が28日に発表した。
同社は、今月初めに金融サービスを手がける「ジオ・ファイナンシャル・サービス(Jio Financial Services:JFS)」を設立して金融分野に進出。世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)がパートナーになると発表され、注目を集めた。
アンバニ氏が率いるリライアンスは、インドのデジタル分野の成長において最も重要な企業のひとつであり、ブロックチェーンとCBDCの分野への進出は、同社の年間最大のイベントである年次全体会議で発表された。
インドのデジタル化を加速
「JFSは当社の決済インフラを統合し、消費者と加盟店の双方に、いつでも、どこでもアクセスできるサービスを提供することで、インドのデジタル化をさらに促進する」とアンバニ氏。
「JFSの製品は、現在の業界標準と競合するだけでなく、ブロックチェーンベースのプラットフォームや、CBDCのような画期的な機能も模索していく。また、最高水準のセキュリティと規制基準を遵守し、常に顧客の取引データを確実に保護する」
一方、リライアンス傘下でインド最大の小売チェーンであるリライアンス・リテール(Reliance Retail)は2023年2月、実験フェーズにあるインドのCBDC、いわゆるデジタル・ルピーの受け入れを開始しているが、28日の発表はこの分野でのより大きな取り組みを示唆している。
本格的な展開はこれからだが、インドはすでにホールセース型とリテール型のCBDCに向けて大きく前進している。
|翻訳:清水マキ
|編集:増田隆幸
|画像:CoinDesk
|原文:Indian Billionaire Mukesh Ambani’s Firm Will Explore Blockchain Platforms and CBDCs