投資アプリを手がけるロビンフッド・マーケッツ(Robinhood Markets Inc.)が、シカゴのジャンプ・トレーディング(Jump Trading)との関係を解消したようだ。ロビンフッドはジャンプの支援を受けて数年前に暗号資産に参入したが、現在は同社とビジネスをしていないと関係者が米CoinDeskに語った。
ロビンフッドは暗号資産取引を手数料無料で行っているが、数十億ドル規模の取引を円滑に進めるために、流動性を提供しているマーケットメイク会社に依存している。しかしジャンプは、規制当局の監視が強まり、アメリカ市場から撤退すると報じられている。
水面下で進んだ関係解消
オンチェーンデータによると、2社は7月上旬に関係を解消したようだ。ロビンフッドはコメントを控えた。ジャンプからのコメントはまだない。
2社の関係に変化があったことはほとんど知られていなかった。ロビンフッドの財務報告書を見ると、2022年第4四半期から、ジャンプ傘下の大莫山(Tai Mo Shan)についての言及はない。同社はロビンフッドの注文フローを処理していた。
米証券取引委員会(SEC)への提出書類によると、ロビンフッドは現在、大手マーケットメイカーB2C2をはじめとする数社と連携しているようだ。B2C2はロビンフッドの暗号資産取引の大部分を扱っている。
伝統的金融にも及ぶ規制の影響
なぜロビンフッドがジャンプとの関係を解消したのか、理由は明らかになっていない。ジャンプは、伝統的な金融における大手マーケットメイカーであり、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)や他の市場で圧倒的な存在感を示してきた。
だが、アメリカ政府による暗号資産への取り締まり強化により、伝統的金融(TradFi)プレーヤーが、この分野で存在感を維持することは難しくなっている。
ジャンプは、ロビンフッドの暗号資産参入をサポートした最初の企業であり、2021年の強気相場にむけて収益性の高いサービスのためのマーケットメイキングを行っていた。
|翻訳:清水マキ
|編集:増田隆幸
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|原文:Robinhood and Jump Trading No Longer Have Crypto Partnership: Source