SECはビットコイン現物ETFを拒否するための別の論拠を探すかもしれない──独投資銀行が指摘

ドイツの投資銀行ベレンベルク(Berenberg)は、アメリカ証券取引委員会(SEC)がビットコイン(BTC)現物市場への懸念を理由に、ビットコイン現物上場投資信託(ETF)申請を引き続き拒否することを正当化する代替論拠を準備する可能性が十分にあると8月30日の調査報告書で述べた。

それでも、グレイスケール(Grayscale)の勝利により、「SECが最終的に1つまたは複数のビットコインスポットETF申請を承認する」可能性が高まったとマルク・パルマー(Mark Palmer)氏率いるアナリストは書いている。

連邦控訴裁判所は8月29日、SECがグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)をETFに転換するというグレイスケールの試みに対する拒否を再検討する必要があるとの判決を下した。

ビットコイン現物ETFの承認は、より幅広い機関投資家が市場にアクセスできるようになるため、暗号資産(仮想通貨)業界にとって大きな変革となる可能性がある。 ETFは、市場参加者が原資産を購入することなく暗号資産に投資できるため、人気がある。

裁判所はSECにビットコイン現物ETFの承認を強制しなかったが、規制当局はグレイスケールの申請を拒否するために使用した議論を再検討する必要があるとアナリストは書いている。

報告書によると、SECは今回の裁定に対して控訴する選択肢もあるという。

ベレンベルクは、グレースケールの法廷での勝利を受けて暗号資産に関連した株式が急騰し、コインベース(Coinbase)が14.9%、マイクロストラテジー(MicroStrategy)は10.8%上昇したと指摘した。

「スポットETFの承認はビットコインにとって良いことになるだろうし、ビットコインにとって良いことは何でもマイクロストラテジーにとって良いことになるだろう」とベレンベルクは述べている。 しかし、コインベースにとって、同社がこれらのETFに関与する可能性は、「申請を拒否するためのSECの再構成された議論」の一部として機能する可能性がある。

米CoinDeskの親会社であるデジタル・カレンシー・グループ(Digital Currency Group)はグレイスケールを所有している。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Nikhilesh De/CoinDesk
|原文:SEC Could Prepare Alternative Arguments to Reject Spot Bitcoin ETFs: Berenberg