分散型流動性プラットフォーム「シンセティックス(Synthetix)」のネイティブトークンであるシンセティックス(SNX)は4日、12.5%上昇した。大手暗号資産(仮想通貨)取引所のバイナンス(Binance)から大規模な流出が確認されている。
770万円相当のSNXが流出
CoinMarketCapによると、直近24時間の取引量は250%以上増加して9600万ドル(約139億2000万円、1ドル145円換算)となった。オンチェーン分析会社Lookonchainによると、新たに作成されたウォレットの1つがバイナンスから770万ドル(約11億1650万円)相当のSNXを引き出したという。
トレーダーは、ガバナンス投票をしたり、利回りを確保したりするために資産を完全な管理下に置くことを好むため、暗号資産の流出は通常、買いが行われたことを示している。
SNXの引き出しに加えて、このウォレットは390万ドル(約5億6550万円)相当のライブピアー(LPT)も引き出しており、価格は17.5%上昇した。
アルトコインのボラティリティが生じやすい
この2つの資産の上昇は、暗号資産市場全体が停滞している中で起きている。ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)は、暗号資産全体の時価総額が600億ドル(約8兆7000億円)低下した週に続き、それぞれ2万6000ドル(約377万円)と1300ドル(約18万8500円)というレンジ下限での取引が続いている。
アルトコイン取引ペアの流動性は、こうした低迷の際に後退することが多く、ボラティリティが生じやすい環境が生じる。
今回のケースでは、LPTのバイナンスにおける2%のマーケットデプスは、上方向にはわずか7万ドル(約1015万円)、下方向には27万ドル(約3915万円)となっている。これは、この金額を売買することにより、資産の価格を2%変動させられることを意味する。
逆に、機転の利くトレーダーは、その資産が大きなスリッページを伴う低い流動性の下で買われたことを認識して、直近の買い手を罠にはめることもできるため、わずかな下方向の値動きでも圧力がかかることになる。
|翻訳・編集:林理南
|画像:TradingView
|原文:Synthetix Posts 12.5% Gain Amid Binance Outflows, Bucks Bearish Bitcoin Trend