ETFのチャンス、ビットコインよりイーサリアムを購入すべき:K33 Research
  • K33 Researchによると、来月にはイーサリアムの先物ETFが承認される可能性が高いため、イーサリアムはビットコインに対して短期的に上昇する見通し。
  • K33 Researchによると、市場はビットコイン現物ETFの買い圧力を過小評価している。

暗号資産市場分析会社K33 Researchは5日に出したレポートで、イーサリアム(ETH)はETF(上場投資信託)実現の可能性があることで上昇圧力が強化され、9月と10月にビットコイン(BTC)を上回るパフォーマンスになり得るとの見方を示した。

米国証券取引委員会(SEC)が最初のイーサリアムETFを承認または却下する最終期限は10月中旬であり、承認される可能性が高い。

イーサリアムは相対的に買い

K33 Researchのシニアアナリストであるヴェトル・ルンデ(Vetle Lunde)氏は、この展開によりイーサリアムの価格が上昇する可能性があると指摘。ビットコインでは2年前に行われた初の先物ETFのローンチ前3週間に価格が60%上昇したことに言及した。

ルンデ氏は、「イーサリアムに勝算がある」とし、イーサリアムはビットコインに対して「強力な相対的買い」であると指摘。「ETH/BTCは2年半近いレンジの下限付近で取引されており、相対的に上昇する余地はかなりある」と述べた。

ビットコイン現物ETFの影響は過小評価

世界最大の資産運用会社、ブラックロック(BlackRock)が6月にビットコイン現物ETFの承認を申請して以来、ビットコインはETFに関してかなりの注目を浴びており、すぐにフィデリティ・インベストメンツ(Fidelity Investments)など他の多くの資産運用会社からの申請が続いた。

先週、クローズエンド型のグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)のETFへの転換に関する訴訟においてグレイスケールがSECに勝利したことを受け、SECがビットコイン現物ETFを承認する可能性は高まったようだ。

しかし、裁判所の判決に対する興奮はすぐに冷めた。SECは週後半にブラックロックなどによる6月のビットコイン現物ETF申請に関する決定を延期し、センチメントにさらに冷や水を浴びせた。ビットコインは、グレイスケールの勝利を受けて2万8000ドル(約406万円、1ドル145円換算)を超えるまで急騰した後、すぐに反落し、先週金曜には2万5000ドル(約362万5000円)をわずかに上回る半年ぶりの安値付近まで下落した。

ルンデ氏は、「市場は(ビットコイン現物ETFの)潜在的な影響を過小評価しているようだ」とし、「現物ETFが承認されれば莫大な資金が流入し、ビットコインに対する大きな買い圧力が生まれるはずだ。逆に、ビットコインの現物ETFが却下された場合、何も変わらない」と指摘した。

9月は下落する傾向

9月は歴史的にビットコイン価格にとって厳しい時期であり、2016年以降毎年9月の月次上昇率はマイナスを記録している。暗号資産運用会社QCPキャピタル(QCP Capital)は、ビットコインは10月初旬までに2万3000ドル(約333万5000円)まで下落する可能性があると予想した。

それでも、ルンデ氏によると、現在の価格水準(本記事執筆時点で2万5720ドル)は、より長い期間を見据えた投資家にとっては購入の機会になるという。同氏は、「これはどう見ても買い手市場であり、現在の水準でビットコインを積極的に蓄積しないのは無謀だ」と述べた。

Bloomberg/K33 Researc

|翻訳・編集:林理南
|画像:Bloomberg/K33 Researc
|原文:Buy Ether Instead of Bitcoin to Ride ETF Momentum, Crypto Research Firm Says