三菱UFJ信託銀行とBinance Japanは、日本法に準拠したステーブルコインの発行・管理基盤「Progmat Coin(プログマコイン)」基盤を活用した、新たなステーブルコインの発行に向けた共同検討を開始した。新たなステーブルコインはBinanceのグローバルなエコシステムと日本市場との連携における核となるという。
共同検討では、日本円、ドルなどの外貨の双方を対象としたステーブルコインの発行を目指すとしている。
これまでCoinDesk JAPANでも伝えてきたように、三菱UFJ信託銀行はデジタルアセット全般の発行・管理基盤として「Progmat」の開発を進めてきた。そのなかでステーブルコインの発行・管理基盤となるのが「Progmat Coin」だ。
一方、世界最大級の暗号資産取引所バイナンス(Binance)の日本法人であるBinance JAPANは今年8月、日本市場での本格的なサービスを開始し、国内最多とする34種類の暗号資産を取り扱っている。グローバルでは、350以上の銘柄を取り扱い、1億5000万人超のユーザーに利用されているという。
今年5月、バイナンス日本代表の千野剛司氏はCoinDesk JAPANのインタビューに「ステーブルコインは、リアルエコノミーとブロックチェーンエコノミー、バイナンスエコシステムの接着剤のような役割を果たすと考えている。ステーブルコインが存在するのと、しないのとでは、未来の姿がまったく違ってくる」と語っている。
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今回のステーブルコインの発行に向けた共同検討は、6月に施行された改正資金決済法で定められたステーブルコインの3類型のうち「信託型」で行われる。信託型は発行希望者に発行者としてのライセンスは不要、送金金額の制約もなく、面倒な部分はすべて信託銀行に委ねることができるというメリットがある。
ただし、日本国内でステーブルコインを事業として展開するためには、改正資金決済法で新設された「電子決済手段等取引業」のライセンスを仲介者が取得することが前提となる。そのため、ステーブルコインの発行時期としては、Binanceがライセンス取得までに要する期間を踏まえて、2024年中の発行を目指すとしている。
|文:CoinDesk JAPAN編集部