暗号資産(仮想通貨)業界で働く人の多くは、暗号資産は最終的に金融・決済システム全体の中でより大きな役割を担うと考えている。
だが現状、給与はほぼ政府発行の通貨、業界用語風に言えば「フィアット(法定通貨)」で受け取っている。
暗号資産業界で働く人のうち約97%は法定通貨で給与を受け取っており、暗号資産で受け取っている人はわずか3%であることが、暗号資産投資会社パンテラ・キャピタル(Pantera Capital)の調査で判明した。調査は、1046件の回答に基づいている)。
暗号資産で受け取っている人のうち、大多数は米ドル連動型ステーブルコインのUSDコイン(USDC)もしくはテザー(USDT)で受け取り、13%の人がビットコイン(BTC)を選んでいる。
Web2より高収入なWeb3エンジニア
調査に回答した570人のエンジニアの給与の中央値は12万ドル(約1740万円、1ドル145円換算)、北米のエンジニアは前年比1.5%増の19万3000ドル(約2800万円)だった。ちなみに、北米の従来のITエンジニアやWeb2のエンジニアの給与は、約16万6100ドル(約2410万円)。
「Web3のシニア・エンジニアの給与は、Web2のシニア・エンジニアを若干上回っている」とパンテラはレポートに記している。
また、暗号資産業界では、約88%はリモート勤務だが、Web2は約28%と推定されており、対照的な結果となっている。
「もともとグローバルに流通するものであるため、暗号資産業界ではリターン・ツー・オフィスを推し進める動きは期待されていない」
エグゼクティブ(経営幹部)の給与は、企業のステージによるが、14万7363ドル(約2140万円)〜33万5400ドル(約4860万円)。
また回答者の5人に1人は、トークンによるインセンティブも受け取っており、エグゼクティブ以外では平均8万9000ドル(約1290万円)、エグゼクティブは平均130万ドル(約1億9000万円)となっている。
ただし、暗号資産市場は変動が大きいため、インセンティブの実際の価値は大幅に変動する可能性がある。
「注意点として、この数字は利益確定のタイミングによって異なるため、評価額や時期がわからない限り、文脈から外れる可能性がある」とレポートは述べている。
|翻訳:清水マキ
|編集:増田隆幸
|画像:Shutterstock
|原文:Almost All Crypto Employees Take Pay in Fiat, Pantera Study Finds