欧州委員会は9月26日、暗号資産(仮想通貨)が環境に及ぼす「重大な害」と呼ぶものを軽減するために、80万ユーロ(約1億2640万円、1ユーロ=158円換算)の契約を結ぶと発表した。
11月10日に入札が締め切られるこの調査研究は、暗号資産が気候変動に与える影響を抑制するための将来的なEUの政策や、ブロックチェーンの新しいエネルギー効率ラベルに反映される可能性のある基準を策定するものだ。
欧州委員会は入札書類の中で「暗号資産が気候や環境に大きな害を及ぼす可能性があるという証拠がある」と述べ、温室効果ガスの排出削減というEUの目標を損なう可能性があると指摘した。
EUの議員たちは、ビットコインのようなブロックチェーンを支えるためにエネルギーを大量に消費するプルーフ・オブ・ワーク(PoW)のコンセンサス・メカニズムを懸念している。
昨年、EU圏の暗号資産市場規制法(MiCA)に関する議論では、ビットコインを禁止するような環境規制を承認するところだった。最終的にはそこまで踏み込んでいないものの、MiCAは発行者に環境への影響を申告するように求めている。
EUの調査は1年かけて行われ、エネルギーだけでなく、水、廃棄物、天然資源の使用など、環境に配慮した問題を検討すると欧州委員会は述べている。
暗号資産のエネルギー使用は、アメリカ政府も注目している。ホワイトハウスが2022年に発表した報告書によると、主要な暗号資産は世界の温室効果ガス排出量の0.3%を占めているが、暗号資産支持者はマイニングがエネルギー網の脱炭素化に役立つとも主張している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:EU Seeks More Data on Crypto’s ‘Significant’ Environmental Harm