ジェミナイ、2022年にジェネシスからユーザー資金2億8200万ドルを引き出し──報道に反論
  • 暗号資産取引所ジェミナイは、創設者である双子が昨年8月にジェネシスから2億8200万ドルを引き出したとするニューヨーク・ポスト紙の記事に反応した。
  • ジェミナイはXで、この記事の内容について「誤解を招く」「純粋なファンタジー」と表現した。
  • ジェミナイは、ステーブルコインTerraUSD(UST)の崩壊などの出来事を受けて2022年夏に市場が混乱したため、流動性準備金を増やすことを選択したと述べた。

暗号資産(仮想通貨)取引所ジェミナイ(Gemini)は28日のニューヨーク・ポスト紙の記事に反応する形で、2022年8月に流動性準備金として保有するため、アーン(Earn)ユーザーの資金2億8200万ドル(約423億円、1ドル150円換算)を暗号資産レンディング会社ジェネシス・グローバル・キャピタル(Genesis Global Capital)から引き出したことを明らかにした。

この記事は情報筋の話として、ジェミナイ創設者であるキャメロン・ウィンクルボス(Cameron Winklevoss)氏とタイラー・ウィンクルボス(Tyler Winklevoss)氏が「企業資金であろうと個人資金であろうと、自分たちの資金」2億8000万ドル以上を引き出したと主張している。

ジェミナイはX(旧ツイッター)で反応し、この記事の内容について「誤解を招く」「純粋なファンタジー」と表現した。

ジェミナイは、「ポスト紙が自身のストーリーの中で主張していることはすべて正反対だ」とし、「2022年8月にジェネシスから引き出された2億8200万ドルは、実際にはアーンユーザーの資金だった」と述べた。

ジェミナイは、ステーブルコインTerraUSD(UST)の崩壊などの出来事を受けて2022年夏に市場が混乱したため、流動性準備金を増やすことを選択したと説明。「当社のリスク管理の結果、ジェネシスが2022年11月16日に義務の履行を停止したとき、アーンユーザーのジェネシスへのエクスポージャーは2億8200万ドル減少した」と述べた。

ジェネシスは、2022年11月に暗号資産取引所FTXが突然破綻した後、顧客の出金を停止し、ジェミナイのアーンユーザーの資産を凍結した。ジェネシスは2023年1月に破産を申請した。

ジェミナイは今月これ以前に、ジェネシスが提案した破産計画では顧客が未払い金のうち「実質価値に近いもの」が得られないと主張していた。

|翻訳・編集:林理南
|画像:Shutterstock
|原文:Gemini Pulled $282M Earn Users’ Funds From Genesis Last Year to Protect Customers