伝統な市場への逆風が弱まり、暗号資産(仮想通貨)市場が2日の急騰後に落ち着いたことから、ビットコイン(BTC)は4日に上昇。過去24時間での上昇幅は1.3%となった。
アメリカ時間の午後には約2万7700ドル(約415万5000円、1ドル150円換算)で推移している。ビットコインは今週、一時2万8000ドルを超えて上昇したが、その後上昇幅は縮小した。
下落トレンドから抜け出したとの見方
暗号資産サービスプロバイダー、マトリックスポート(Matrixport)のアナリストは4日、ビットコインが夏から始まった下落トレンドから抜け出し、2万7000ドルの水準がサポートになったと指摘。ビットコインの価格が3万ドルに向かう可能性があると述べた。しかし、ビットコインの取引高は190億ドル(約2兆8500億円)から110億ドル(約1兆6500億円)に減少しており、2日の最初の急騰後にその動きが大きく続くことはなかった。
機関投資家向け暗号資産会社のEnigma Securitiesは4日のレポートで、暗号資産市場のボラティリティの低さは今後数カ月間続くと予想した。
暗号資産市場分析会社K33 Researchのシニアアナリストであるヴェトル・ルンデ(Vetle Lunde)氏は市場レポートで、10月には市場が値固めをして横ばいになる可能性が高く、長期投資家が資産を蓄積させる余地が広がると指摘した。
暗号資産市場全体のパフォーマンスを表すCoinDesk Market Index(CMI)は0.8%上昇した。
米労働市場の冷え込みで市場が安定
4日に発表されたADP雇用統計がアメリカの労働市場の冷え込みを示したため、2日に波乱の展開だった従来の市場は落ち着きを取り戻した。
ADPでは、9月の雇用者増は8万9000人で、アナリスト予想の15万3000人や8月の18万人を大幅に下回った。チャールズ・シュワブ(Charles Schwab)のチーフ債券ストラテジストであるキャシー・ジョーンズ(Kathy Jones)氏はX(旧ツイッター)で、民間部門の雇用としては2020年以来最小の増加幅だと指摘した。
S&P500は0.8%高で取引を終え、ハイテク株の多いナスダック総合指数は1.45%上昇した。
イーサリアムは振るわず
アメリカ初のイーサリアム(ETH)先物ETF(上場投資信託)が初日に期待外れの結果となったため、イーサリアム価格は他の暗号資産よりパフォーマンスが悪く、0.7%下落した。K33 Researchは、イーサリアムの中期的な材料が不足していることを理由に、投資家にビットコインに変更することを勧めた。
ソラナ(SOL)も今週これまでの上昇幅を縮小し、過去24時間で2.3%下落した。1週間で見ると依然として20%以上上昇している。
レイヤー1ブロックチェーンであるアバランチ(Avalanche)のAVAXは7%急騰し、主要暗号資産の中でトップのパフォーマンスとなった。リップル(Ripple)社のアジア部門がシンガポールでライセンスを取得し、有利な裁判所の判決を受けたことを受けて、エックス・アール・ピー(XRP)も4日に3%以上上昇した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Edges Higher to $27.7K; AVAX, XRP Jump as Crypto Market Settles
※編集部より:タイトルを修正して、更新しました。