Bitvavoやバイナンス(Binance)の後継であるCoinmerceなどのオランダの暗号資産(仮想通貨)企業は、オランダの規制当局によって課された220万ユーロ(約3億4100万円、1ユーロ=155円換算)の手数料をめぐる戦いにおいて、部分的に法的な勝利を収めた。
オランダ中央銀行(DNB)は、マネーロンダリング防止を目的とした企業登録に法的権限を超えて課金したとロッテルダムの裁判所は10月4日に出された2つの判決で述べた。
「DNBの登録要求は、欧州連合(EU)のマネーロンダリング防止法で定められた暗号資産サービスプロバイダーの登録義務の範囲を逸脱している」と裁判所は述べ、現行の暗号資産規制の下では「2021年の監督費用を暗号資産サービスプロバイダーに合法的に請求することはできない」と付け加えた。
ただし、この法律は依然として良好な統治の規範とみなされ、企業は引き続き監督下にあるとみなされるべきだと裁判官は述べた。 裁判官によると、今回の判決は2020年の費用請求には影響がなく、2022年の費用については別の訴訟が進行中だという。
まもなくEUの厳しい暗号資産市場ライセンス制度を適用しなければならなくなるオランダは、コインベース(Coinbase)とバイナンスが登録を怠ったとして数百万ユーロの罰金を科すなど、暗号資産企業に対して厳しい姿勢を示している。取引所ジェミナイ(Gemini)は最近、DNBの厳格化によりオランダから撤退すると発表し、バイナンスも同様にオランダの顧客をCoinmerceに移管した。
今回の提訴を取りまとめた業界団体であるユナイテッド・ビットコイン・カンパニーズ・オブ・ザ・オランダ(VBNL)のパトリック・ファン・デル・メイデ(Patrick van der Meijde)会長は、同団体が「裁判所が(EUのマネーロンダリング防止法の)登録義務がオランダでは違反だと判断したことを喜ばしく思う」と述べた。
「この大きなコストはDNBの権限外であるため、転嫁されるべきではなかった」とファン・デル・メイデ氏は付け加えた。
ヨーロッパの金融規制当局は一般的に税金を投入しておらず、その規模に比例した運営コストを監督対象団体に請求している。ファン・デル・メイデ氏によると監督手数料の額は年々増加しているという。
DNBはコメントの要請にすぐに応じなかった。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Dutch Crypto Companies Score Legal Win in Fight Against $2.3M Supervision Bill