イスラエルの暗号資産コミュニティとWeb3コミュニティは9日、イスラム組織ハマスとの戦争状態突入により避難を強いられ、人道支援を必要としているイスラエル市民のための資金を集めるために、クリプト・エイド・イスラエル(Crypto Aid Israel)を設立したと発表した。
クリプト・エイド・イスラエルのプレスリリースによると、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)、ドル連動型ステーブルコインのテザー(USDT)やUSDコイン(USDC)などの複数の暗号資産建ての寄付を集めるために、複数の当事者によって共同管理されるマルチシグネチャーウォレットを用意する予定だという。
多くのイスラエルの銀行や規制当局が、こうした暗号資産の寄付による資金の流れを支援するために関与している。この取り組みに近い情報筋によると、これらの銀行は今回初めて暗号資産を銀行に移動するための経路を提供する可能性が高いという。
ファイアブロックスなどが参入
プレスリリースによると、暗号資産のカストディ(管理・保管)サービスなどを手がけるファイアブロックス(Fireblocks)がこれらの暗号資産の管理に参加したという。
クリプト・エイド・イスラエルは、「ウォレットから資金を移動するには、署名者7人のうち少なくとも4人の署名が必要になる厳格な方針が採用された」と述べた。
メンバーにはこれまでのところ、ファイアブロックスのほか、MarketAcross、Collider Ventures、CryptoJungle、イスラエルブロックチェーン協会(Israel Blockchain Association)が含まれている。
CryptoJungleのベン・サモチャ(Ben Samocha)CEOはプレスリリースで、「家を失った家族に食料と避難所を提供するために必要な資金を集めたい」、「砲撃を受けたイスラエルの民間人に衛生用品や医療品を提供し、イスラエルの人々が現在直面している恐怖に対する意識を高めたい」と述べた。
7日に戦争状態に突入して以来、イスラエル人800人以上が死亡、2600人以上が負傷し、100人以上がガザに拉致された。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Eduardo Castro/Pixabay
|原文:Israel War Prompts Crypto Firms Including Fireblocks, MarketAcross to Start Aid Fund