ビットコイン、3%近く下落して2万6700ドル──株式上昇でも買い意欲起きず

ビットコイン(BTC)は11日、月初以来初めて2万7000ドル(約405万円、1ドル150円換算)を下回った。4日連続の株価上昇と3日連続の債券利回りの低下が起きても、暗号資産(仮想通貨)への買い意欲が引き起こされることはなかった。

アメリカ時間11日午後遅くのビットコインは過去24時間で2.5%下落し、暗号資産市場全体のパフォーマンスを示すCoinDesk Market Index(CMI)の1.75%下落よりも下げ幅が大きかった。

主要暗号資産では、エックス・アール・ピー(XRP)、ライトコイン(LTC)、ポルカドット(DOT)が2~3%下落した。イーサリアム(ETH)はビットコインやCMIよりもパフォーマンスが悪く、0.7%下落して1550ドル(約23万2500円)近くにまで達した。データ分析会社コイングラス(CoinGlass)のデータによると、ロングポジションで価格上昇に賭けたデリバティブトレーダーらはこの日、5000万ドル(約75億円)規模の清算に苦しんだ。ビットコインは清算額のうち2250万ドルを占め、今月2番目に高い数値を記録した。

従来の市場が上昇する中での弱い動き

従来の市場が引き続き上昇する一方で、暗号資産の動きは弱い。ナスダック総合指数は0.7%上昇、S&P500は0.4%上昇し、どちらも現在4日連続で上昇している。債券も続伸しており、米10年債利回りは10ベーシスポイント低下して4.56%となった。先週金曜日の終値は4.80%だった。

経済ニュースでは、9月の米生産者物価指数(PPI)が予想より若干強い結果となった。米連邦公開市場委員会(FOMC)の直近の議事録によると、金融引き締めサイクルが完了する前にもう1回利上げが行われると大多数が予想していることが示された。

ビットコインの価格はどうなる?

一部のアナリストは、アメリカの株安と債券市場の暴落の中で、ビットコインが過去数週間に驚くべき安定を見せたことを指摘した。しかし、200日移動平均線と200週間移動平均線が交わる2万8000ドル付近の強い抵抗線を突破できず、そのトレンドは消えたように見えた。

人気トレーダーのXO氏はX(旧ツイッター)の投稿で、ビットコインについて「現物保有者が恐怖や価格下落によって売却を始めるだろう」とし、「ストーリーは弱気にシフトするだろう」と指摘。2万5000ドルを下回る可能性を示唆した。

Cubic Analyticsの創設者であるケイレブ・フランゼン(Caleb Franzen)氏はXの投稿で、2万5000ドルからの上昇で始まったビットコインの上昇トレンドが崩れ、さらに下の水準を再び試す可能性があると指摘した。

フランゼン氏は、ビットコインは夏から続く下落トレンドの上限でサポートされる可能性があるが、そうでなければさらに2万4000~2万5000ドルまで下落する可能性があると述べた。

短期的には下落する可能性があるが、ビットコインは長期的には価格上昇につながる可能性がある。大物投資家のポール・チューダー・ジョーンズ(Paul Tudor Jones)氏はCNBCで、広範な地政学リスクとアメリカ政府の債務水準の上昇や金利の支払いが組み合わされた状況を考慮すると、金とビットコインが大好きだと語った。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Sinks Nearly 3% to $26.7K; Bulls Ponder How Low It Can Go