イーサリアムのステーキング利回りに対する投資家の需要は鈍化: コインベース

イーサリアム・ブロックチェーンのバリデーター待ちの行列が、5月の「シャンハイ」アップグレード以来初めて空になった。これはイーサリアム(ETH)のステーキングに対する投資家の需要が横ばいになっていることを示しているとコインベース(Coinbase)は10月13日の調査報告書で述べた。

バリデーターは報酬と引き換えにイーサリアムをロックすることで取引を検証する。ブロックチェーンの「シャンハイ」アップグレードは、初めて預け入れられたETHの引き出しを可能にした。

ここ数カ月、バリデーターの参入がピークに達しているため、ステーキングの利回りは5%以上から3.5%に低下していると報告書は述べている。

アナリストのデビッド・ドゥオン(David Duong)氏とデビッド・ハン(David Han)氏は、「ステークされたイーサリアムの利回りは、暗号資産エコシステムに基盤を提供し、代替暗号資産投資のベンチマークを提供する」と書いている。

コインベースによると、バリデーターの成長が鈍化している現在、基本的なアクティビティと取引手数料がネットワーク上で一定であれば、ステーキング利回りは横ばいを維持すると予想している。

イーサリアムのメインネットのアクティビティは第3四半期に堅調に推移したが、ロールアップトランザクションの総計は増加したと報告書は述べている。

「2024年前半に行われるであろう大型アップグレード『デンクン(Dencun)』までイーサリアム・プロトコルの主要なアップグレードはなく、主要な新しいプロトコルやひどいハッキングがない限り、オンチェーンの活動に重大な影響を与えるような主要な技術的要因はない」と報告書は付け加えた。

デンクンのアップグレードには5つのイーサリアム改善提案(EIP)が含まれており、データのストレージを増やし、ブロックチェーン上の手数料を削減するよう設計されている。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Investor Demand for Ether Staking Yields Has Slowed: Coinbase