コインベース(Coinbase)のアメリカにおける暗号資産(仮想通貨)取引高は、第3四半期に予想以上に減少したようだと、ドイツの投資銀行ベレンベルク(Berenberg)が10月17日の調査報告書で述べた。
この取引所の取引高は前四半期比で約17%減少し、前年同期比では約52%減少したとベレンベルグのレポートはザ・ブロック(The Block)を引用して述べた。コインベースは11月2日に第3四半期決算を発表する。
同行は「我々は引き続き、コインベースの消費者取引率は、取引高の少ない暗号資産空間における市場シェア争いのため、圧縮されるリスクがあると見ている」と述べた。
マルク・パルマー(Mark Palmer)氏率いるアナリストは「コインベース・グローバルに対する我々の慎重なスタンスの主な理由は、今後数四半期における同社の営業業績に対する懸念ではなく、むしろ同社がアメリカで直面しているさまざまな規制措置や訴訟や、暗号資産に対する規制強化が続く中で今後直面する可能性のあるその他の脅威だ」と述べている。
報告書は、政治的な逆風が取引所のロビー活動強化の影響を鈍らせる可能性があるとし、ハマスによる暗号資産の使用に関する最近のニュースは、暗号資産の法的地位の問題を「さらにとらえどころのないもの」にする可能性が高いと付け加えた。
現在進行中の「暗号資産の冬」とコインベースが直面しているさまざまな規制上の課題にもかかわらず、同社の株式は、暗号資産ブームの絶頂期だった2021年後半に近い評価で取引されていると報告書は付け加え、ビットコイン(BTC)の72%の上昇とナスダック指数の29%の上昇に対して、同社の株式は今年112%以上上昇していることを指摘した。
ベレンベルクはコインベース株の格付けがホールドであることと目標株価が39ドルであることを再び表明した。コインベース株は10月17日に77.46ドルで取引を終えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
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|原文:Coinbase Trading Volume Slows Further as Crypto Winter Continues: Berenberg