ビットコイン、SECの訴訟と金利懸念でも下落せず──XRPは6%上昇
  • ビットコインは米10年債利回りの上昇と株価下落の中でも底堅さを維持した。
  • SECがリップル・ラボ幹部に対する訴訟を取り下げたため、XRPは6%急騰した。

SECの訴訟と金利上昇の影響受けず

ビットコイン(BTC)は19日昼、急落の要因となる可能性があったニュースにもかかわらず小幅な上昇を保ち、2万8600ドル(約429万円、1ドル150円換算)で推移していた。

ニューヨーク州はこの日、デジタル・カレンシー・グループ(DCG)とその子会社であるジェネシス・グローバル・キャピタル(Genesis Global Capital)、暗号資産取引所ジェミナイ(Gemini)に対し、10億ドル(約1500億円)を超える詐欺行為を行ったとして訴訟を提起した。

加えて、金利も急上昇を続けている。米10年債利回りはさらに6ベーシスポイント上昇して4.97%となり、世界金融危機以降で初めて5%を超える可能性がある。これにより株価は2日連続で下落した。

しかし、ビットコインはこの日一時2万9000ドル手前まで上昇した後、本記事執筆時点では依然として1%上昇にあたる2万8600ドルで推移している。

アルトコインが横ばいの中XRPは急騰

主要アルトコインの大部分は横ばいで取引され、イーサリアム(ETH)、バイナンスのビルドアンドビルド(BNB)、ポルカドット(DOT)、ドージコイン(DOGE)はわずかに下落した。ソラナ(SOL)はトレンドに逆行し、この日5%上昇した。

米証券取引委員会(SEC)がリップル・ラボ(Ripple Labs)のブラッド・ガーリングハウス(Brad Garlinghouse)CEOとクリス・ラーセン(Chris Larsen)会長に対する訴訟を取り下げたことを受け、XRP(エックス・アール・ピー)は19日遅くに6%以上急騰した。SECは今後もリップル・ラボに対する損害賠償請求を続けると表明した。

暗号資産市場全体のパフォーマンスを表すCoinDesk Market Index(CMI)は、わずかに0.3%上昇した。

米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長がニューヨークの経済クラブで行った発言も影響した。同議長は、インフレ率は依然として高すぎるが、長期債利回りの上昇により追加利上げの必要性が低下する可能性があると指摘。FRBが11月は金利を据え置く可能性が高いが、12月の利上げの可能性については選択肢を残しておくことを示唆した。

GBTC価格には影響なし

DCGに対する訴訟はグレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)の価格に影響を与えていないようで、トレーディングビュー(TradingView)のデータによると、価格は日次で2%近く上昇した。DCGのもう一つの子会社である資産運用会社グレイスケールは、150億ドル(約2兆2500億円)という巨額のビットコイン投資商品をETF(上場投資信託)に転換することを目指している。8月には、転換の申請をSECが却下したことをめぐる訴訟で勝利を収めた。SECは先週、この判決に対する控訴をしなかった。

|翻訳・編集:林理南
|画像:CoinDesk
|原文:Bitcoin Eyes $29K, Defying Fresh Crypto Lawsuit, Rate Fears; XRP Jumps 6% as SEC Drops Charges