ビットコイン(BTC)に関連するプットオプションや弱気ベットは、過去の水準より割安で取引されており、強気派が割安なバリュエーションで下値ヘッジを狙う貴重な機会を提供している。
この結論は、25デルタのアウト・オブ・ザ・マネー(OTM、権利行使した時に損失が発生する状態)のBTCプットオプションのインプライド・ボラティリティ(IV)と、アット・ザ・マネー(ATM、原資産の価格と権利行使価格が同じ状態)オプションの30日IVという2つの指標の比率に基づいている。アンバーデータ(Amberdata)のデータによると、この比率は1.00を下回っている。
これは、ビットコインの現在の市場価格を下回る権利行使価格の25デルタ・プットオプションが、スポット価格に近い権利行使価格のオプションに比べて、ボラティリティ面で過小評価されていることを示している。
IVは、予想される価格の乱高下に対するトレーダーの総意であり、オプションに対する需要を反映している。プロのトレーダーは、オプションの評価をIVで見積もり、比較することが多い。
プットオプションは、購入者に原資産を特定の期日までに所定の価格で売却する権利を与えるが、義務は負わない。プットの買い手は暗黙のうちに市場に弱気であり、コールの買い手は強気である。スポットおよび先物市場で強気のエクスポージャーを持つトレーダーは、潜在的な価格調整に対するヘッジとしてプットを購入することが多い。
ビットコイン価格が上昇する中、トレーダーがコールオプションを通じて強気のエクスポージャーを増やそうと躍起になっている中、今回のディスカウントが行われた。ビットコインは11月2日に一時3万6000ドルの大台に近づき、10月は上げ幅が28%だった。
とはいえ、2022年初頭以降、プットが割安で取引されることはめったにないため、割安なヘッジを購入する好機は短命に終わる可能性がある。
「プットのIVがATMのIVを下回ることはめったにない。現在の強気な市場心理と下値のプロテクションに対する需要の減少にもかかわらず、BTCプットがATMボラティリティに対してディスカウントを維持するシナリオを想像するのは難しい」と暗号資産デリバティブトレーダー兼リサーチャーのサムニート・チェパル(Samneet Chepal)氏はCoinDeskに語った。
「この現象が今後数週間続くのかどうか、疑問が残る」とチェパル氏は付け加えた。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Samneet Chepal
|原文:Bitcoin Put Options, Which Offer Downside Protection, Look Unusually Cheap. Will the Situation Last?