「暗号資産の冬」は終わった/証券と分類されたらどうなる?【週末に読みたい厳選10本】

米CoinDeskとジェネシス・トレーディング(Genesis Trading)の元リサーチ責任者で、現在はニュースレター「Crypto Is Macro Now」を執筆しているノエル・アチェソン(Noelle Acheson)氏によると、1月にはすでに暖かい季節が到来していたという──今週公開したコラムや分析記事、インタビューなどから、週末に読みたい10本を厳選。

「暗号資産の冬」は終わった

ビットコイン(BTC)はここ1カ月で28%上昇した。ビットコインETF(上場投資信託)は近いうちに登場する。暗号資産(仮想通貨)投資ファンドは先週、2022年半ば以降で最大の資金流入を記録した。ミームコインも復活しつつある。そして、サム・バンクマン-フリード氏を懲らしめるための裁判はほぼ終わり、暗号資産は新たなスタートを切ろうとしている。

北米では季節は冬に向かっているが、「暗号資産の冬」は終わりを告げようとしているのだろうか? 確かにそのように思える。…続きを読む

証券と分類されたら、暗号資産はどうなる?

米証券取引委員会(SEC)はこれまでに、少なくとも68のトークンを証券と分類している。この数はSECがこの数年間に、暗号資産(仮想通貨)企業、プロモーター、開発者に対して起こしたさまざま訴訟で言及した暗号資産の数を合計したものだ。

ソラナ(SOL)やカルダノ(ADA)といったよく知られたトークンをはじめ、さまざまなトークンが含まれており、合計すると時価総額が1000億ドル(約15兆円)にも達するトークンを、SECは違法に取引されていると主張していることになる。…続きを読む

イーサリアムのハッキングが仕事──キャンピングカーからネットワークを守るサイバーセキュリティのプロ

イーサリアム財団のセキュリティ研究者であるデビッド・セオドア(David Theodore)氏の典型的な1日は、世界最大のスマートコントラクトブロックチェーンであるイーサリアムでクラッシュが起きていないかチェックすることから始まることが多い。

その後、彼と同僚はイーサリアムを壊す仕事に取り掛かる。

「私たちのゴールは、できれば他の誰かが壊す前にイーサリアムを壊してしまうことだ」…続きを読む

都合の良い嘘をつく大手メディア、暗号資産業界はうんざり──ハマス資金調達をめぐる誤報

「理解しないことで給料をもらっている人に、理解させることは難しい」──これは、小説家アプトン・シンクレア(Upton Sinclair)の有名な言葉だ。

同じことが、パレスチナの武装集団ハマスの攻撃は、暗号資産(仮想通貨)による寄付で賄われているという考えを主張し続ける人にも言える。…続きを読む

15年前、ビットコインが生まれた夏の話──2008年、ホワイトペーパー発表

2008年8月18日から10月31日まで、サトシ・ナカモトは慌ただしい数カ月を過ごしたに違いない。この夏、ナカモトはドメイン名「bitcoin.org」を登録。今ではよく知られる匿名の暗号技術専門家が、おそらく自分は何かを掴みかけているかもしれないと気づいたことを示していた。…続きを読む

ビットコイン・ホワイトペーパーから15年、ウォール街がビットコインを飲み込む?

当時注意を払っていた人なら言うまでもないことだが、そうでない人のために──2008年10月下旬、マネー、市場、金融は信じられないほどひどい状態だった。

リーマン・ブラザーズに代表される大企業が破綻したり、救済を必要としていた。他にも多くの企業が瀬戸際にあり、株式市場は暴落。政府と中央銀行は大惨事を食い止めようとしていた。私はブルームバーグ・ニュースで大惨事の取材に没頭しており、よく眠れていなかった。…続きを読む

イーサリアムには「レイヤー0の力」がある──だが、まだ失敗に終わる可能性もある

私の文章や視点から感じ取れるテーマがあるとすれば、テクノロジーの世界は標準が大好きで、イーサリアムはその標準になったということだ。

さらに、私が飽きることなく指摘しているように、一度標準が確実な足場を築くと、より優れたものが登場しても、標準を押し除けることは驚くほど難しい。オペレーティングシステムから紙の小切手まで、ひとたび何かが「十分に良いもの」になると、それを中心にツールや経路が開発される。…続きを読む

規制の明確さは、暗号資産のリスクをゼロにするわけではない

霧の中に浮かび上がる船のように、世界のさまざまな地域で暗号資産(仮想通貨)の「規制の明確さ」の輪郭が見え始めている。ただし、アメリカはその中に含まれない。日本からドバイ、EUに至るまで、暗号資産、デジタル化された現実資産(RWA)、そしてステーブルコインに関するルールや規制モデルが形作られつつある。…続きを読む

イーサリアム先物ETFがスタート、次はどうなる?

イーサリアム先物ETFが10月上旬、あまり騒がれずにスタートしてから数週間が経過した。ETFは現在どのような状況にあり、投資家は暗号資産ETFのどこに注目しているのだろう。以下、3つのポイントにまとめた。

イーサリアム先物ETFに集まっている資金は少額(VettaFi、Bloomberg)

1. 予想より盛り上がらなかった…だが、わかっていた …続きを読む

暗号資産を支えるステーブルコイン、リーダーとしての地位を危うくするアメリカ

ステーブルコインは暗号資産(仮想通貨)エコノミーを支える屋台骨。米ドルに裏付けられたステーブルコインを含む取引は、2022年に約6兆8700億ドル(約1031兆円、1ドル150円換算)に達し、マスターカードとペイパルの取引高を上回った。

「暗号資産の冬」にもかかわらず、ステーブルコイン取引はレジリエンスを維持しており、ブロックチェーンネットワーク上で取引された全取引高の約40%を占めている。言い換えれば、ステーブルコインはプロダクト・マーケット・フィットを備えたイノベーションとして台頭している。…続きを読む