- SECがビットコインETFを却下した場合、ビットコイン価格が短期的に下落すると考えることは当然。
- だがアナリストは、ビットコインの存在はETFに依存しているわけではないと指摘している。
市場は、米証券取引委員会(SEC)がビットコインETF(上場投資信託)を時期は不明だとしても、承認するという予想を完全に受け入れているようだ。だが、却下される可能性と、ビットコイン価格に与える影響を考えておく価値はある。
アナリストが、SECが却下した場合、少なくとも短期的には価格にマイナスの影響が出ると考えることは当然だが、短期的な反応の後は何が起きるだろうか?
「価格は下落し、ターゲット価格は3万ドルを下回るかもしれない」とCEC Capitalの暗号資産取引アドバイザー、ローラン・クシス(Laurent Kssis)氏は語った。
どのような下落も、半減期が近づいていることなど、他の強気要因とのバランスを取る必要があると同氏は指摘。
「SECが断定的な態度を示さない限り、2万5000ドルまで下落することはほぼ考えられない。でのクラスターはまずありえないが、もしそうなったとしても、原点回帰の状況になり、皆はまだ希望を失わないと思う」
MarketVector Indexesのプロダクト・ストラテジスト、マーティン・ラインウェバー(Martin Leinweber)氏は「仮にETFが承認されなければ、市場にとってきわめて大きな失望となるだろう」と語った。
「ビットコインETFは、多くの場合、機関投資家の受け入れとメインストリームの金融システムへのインテグレーションの象徴と考えられている」
さらにラインウェバー氏は、却下はSECに法的混乱を引き起こすかもしれないと付け加えた。SECは6月、グレイスケール社との裁判で敗訴、10月には控訴を断念しており、そうした動きがETF承認への期待に繋がっている。
ビットコインはそもそも分散型(=いかなる主体にも依存していない)であり、ETFに依存していないことは明らかだが、「却下が短期的にビットコイン価格に弱気な影を落とすことは否定できない」とラインウェバー氏は指摘した。
「ETFの欠如は、暗号資産市場にとって大きな足かせになると思う」「市場はETFを忘れ、前に進むための新しいストーリーを形づくる必要があり、調整と再整理の期間が必要になるだろう」
また、イーサリアム(ETH)のような他の暗号資産も影響を免れることはできないと同氏は延べた。
ETF以外の強気要因
一方、HashdexのCIO(最高投資責任者)サミール・カーベッジ(Samir Kerbage)氏は「ETFがすぐに承認されない場合でも、ビットコインの2024年の投資状況は非常に強いままだと考えている」と延べた。
「より多くの投資家が、価値保存のための資産、あるいはデジタルゴールドの一種としてビットコインのメリットを理解し始めている」
カーベッジ氏はまた、ビットコイン半減期が近づいており、「歴史が再び韻を踏むなら、ビットコイン価格はこの予定された供給減少にポジティブに反応するだろう」と指摘した。
「ビットコインETFがいつ承認されるかどうかにかかわらず、世界初で世界最大の暗号資産の見通しは、かつてないほど強くなっている」
|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN
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|原文:What Happens to Bitcoin Price if Spot ETF Isn’t Approved?