ユーザー数の増加に合わせて拡張できると主張するモジュラーブロックチェーンのセレスティア(Celestia)が先週リリースされたが、最初の週には市場シェア獲得は進まなかった。リリース後4日間のトランザクション(取引)数は35万件に満たない。
TPSが低い
Mintscanのデータによると、本記事執筆時点のセレスティアブロックチェーンの1秒あたりのトランザクション数(TPS)は0.19だ。これをもって技術的機能が低いと判断することはできないが、ブロックチェーン上の活動が少ないということは言える。
L2Beatのデータで比較すると、イーサリアムブロックチェーンは本記事執筆時点で29.33TPSを記録している。別のモジュラーブロックチェーンであるアービトラム(Arbitrum)は、過去1週間で平均35~45TPSだった。
エアドロップの約3分の2が未請求
10月31日に行われたネイティブトークンTIAのエアドロップでは、60万人以上が資格を持っていたにもかかわらず、実際にエアドロップを請求したのは約19万人にとどまった。100万ドル(1億5000万円、1ドル150円換算)弱の未請求額が残っている。
TIAは本記事執筆時点で2.33ドルで取引されており、時価総額は3億2900万ドル(約493億5000万円)。日次取引高のピークは11月1日の4億7500万ドル(約712億5000万円)だった。CoinMarketCapによると、その後取引高は約1億7000万ドル(約255億円)まで落ち込んだ。
セレスティアブロックチェーンのビジネスモデルはデータ可用性を中心としており、同ブロックチェーンと暗号資産エコシステム全体に合わせて拡張するように設計されていることは注目に値する。モジュラーブロックチェーンは、モノリシックブロックチェーンとは異なり、速度と処理のために特定のチャネルを作成することによって機能する。
ステーキング利回りは高い
ネットワーク活動の点では低調なスタートだったが、セレスティアネットワークのバリデーターは本記事執筆時点で、TIAのステーキング利回りとして約23.39%の年間収益率(APR)を受け取ることができる。これはイーサリアムのAPR3.8%よりもかなり高い。
TIAのパフォーマンスも、過去1年間にアーリーアダプターに対してエアドロップされたスイ(SUI)やアプトス(APT)などと比べて目覚ましい。この2つは発行後に厳しい低迷を迎えた。TIAが安定している理由としては、初期の投資家やコア開発者に対するトークン割り当てが2024年10月までロックされているため、インフレが起きにくいことにあると考えられる。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Celestia Foundation
|原文:Celestia’s TIA Airdrop Hype Wanes as Blockchain Struggles to Gain Users