破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXのネイティブトークンであるFTTが、米証券取引委員会(SEC)のゲーリー・ゲンスラー(Gary Gensler)委員長のコメントを受けて90%急騰した。同委員長は、FTXの再開を目指す一連の動きを受けて、暗号資産に関わりたい人は「法律の範囲内でやる」ことが必要だと警告した。
FTXの買収に関する質問に回答
ニューヨーク証券取引所の元社長であるトム・ファーリー(Tom Farley)氏がFTXの買収を検討しているかどうかについて質問されたゲンスラー委員長は、「トムや他の誰かがこの分野に携わりたいと思ったら、『法律の範囲内でやれ』と言うだろう」と述べた。
ゲンスラー委員長は、「自らがやっていることに対する投資家の信頼を築いてもらいたい。また、適切な情報開示を行っていることや、各機能を混同せず、顧客に不利な取引を行わないことを確実にしてほしい。顧客の暗号資産を自らのために使用しないこともだ」と述べた。
FTX再開での価格上昇を期待
FTXの創設者であるサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman-Fried)氏が7件の刑事告訴で有罪判決を下された先週の裁判を受けて、いくつかのグループがFTXの引継ぎを計画していると報じられている。
再開された取引所でネイティブトークンが使用されるかどうかさえ確実ではないが、投機的な上昇は、FTXの再開が承認されればさらに上昇するのではないかとの期待を示している。CoinMarketCapによると、FTTは現在7カ月ぶりの高値である2.30ドル(約345円、1ドル150円換算)で取引されており、過去24時間の取引高は3億ドル(約450億円)を超えている。
再開の可能性については楽観的な見方があったにもかかわらず、今年これまでに多くの機関投資家が、レイテンシーが劣っていることや「山ほどの問題」を理由に懸念を表明していた。
|翻訳・編集:林理南
|画像:FTXの創設者サム・バンクマン-フリード氏(Nikhilesh De/CoinDesk)
|原文:FTX’s FTT Token Jumps 90% on Gensler Comments