今週の注目
今週もニュースの中心は、ETF承認の期待が高まるビットコインだったが、その中でイーサリアムとXRPの記事も注目を集めた。「アルトシーズン」が動き出したようだ。
イーサリアム、ネットワーク活動増加でデフレに転じる──3000ドルに達する可能性
最近のアルトコインの熱狂がネットワーク活動を活性化させたため、イーサリアム(ETH)は下降トレンドから抜け出し、3000ドル(約45万円、1ドル150円換算)に向かう可能性がある。暗号資産(仮想通貨)サービスプロバイダー、マトリックスポート(Matrixport)のリサーチ責任者マーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏が今週のレポートで指摘した。
XRPが10%急騰──複数の機関がリップルのサービスを採用
ビットコイン(BTC)とイーサリアム(ETH)の価格が安定する中、エックス・アール・ピー(XRP)は過去24時間で急騰し、主要暗号資産(仮想通貨)の中でトップのパフォーマンスとなった。
ビットコイン
円安の影響があるとはいえ、日本円ベースでは550万円を超えている。
ビットコインは3万5000ドルで失速、だがアルトコインへの「資金ローテーション」は強気相場のサインか
ビットコイン(BTC)は今週、3万5000ドル超えを維持できなかったが、トレーダーはビットコインで得た利益をアルトコインに回し、価格を押し上げた可能性が高いとあるアナリストは主張している。
ビットコインの「デジタルゴールド」としての役割がさらなる需要を喚起する
ミームコインのドージコイン(DOGE)がトレーダーの利益を牽引する中、ビットコイン(BTC)は記事執筆時点で3万5000ドルの下で堅調を維持した。
ビットコイン手数料が8月以来1000%近く高騰──Ordinalsの人気が再燃
ビットコインブロックチェーンでNFTを発行する仕組みであるOrdinalsの人気が再燃する中、ビットコインの手数料は今年5月のミームコインの流行以来の最高水準に急騰した。
米SEC、ビットコイン現物ETFをめぐりグレースケールとの協議開始を発表
米証券取引委員会(SEC)は、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)をビットコイン現物ETF(上場投資信託)に転換することを求めるグレイスケール・インベストメンツ(Grayscale Investments)の申請の詳細について、同社との協議を開始した。交渉が非公開であるため匿名を希望した関係者が明らかにしたもので、これは暗号資産(仮想通貨)業界に重大な影響を与える可能性がある。
ビットコイン、「ショートスクイーズ」で3万7000ドル近くまで上昇
ビットコイン(BTC)の価格は11月8日、2022年5月以来初めて3万6000ドルの大台を超え、上昇を拡大した。
データによると、アジアの取引時間の最初の4時間に5000万ドル(約75億円、1ドル=150円換算)弱の清算が行われ、価格を押し上げる「ショート・スクイーズ」が発生した。ショートとは、先物取引における価格下落を予想する賭けを指す。
イーサリアム
ビットコインETFに続いて、イーサリアムETFをめぐる動きが注目を集めた。
ブラックロック、イーサリアムETFを申請──ETHは2100ドル付近まで上昇
世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)はイーサリアム(ETH)ETFを申請。暗号資産への関与をさらに強めようとしている。
ニュースを受けて、イーサリアム価格は2100ドル付近まで上昇。その後、やや下落したが24時間で約9%上昇となっている。
ブラックロックのETF申請でイーサリアムが7カ月ぶり高値──アルトコインは下落
世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)がイーサリアムETF(上場投資信託)上場の基盤を固めたため、9日の投資家の注目はイーサリアム(ETH)からビットコイン(BTC)に移った。
マーケット動向
Bitcoin Ordinalsの話題は、久々。ビットコインの手数料高騰も伝えられた。
セレスティアのTIA、約3分の2がエアドロップ未請求──ユーザー獲得に苦戦
ユーザー数の増加に合わせて拡張できると主張するモジュラーブロックチェーンのセレスティア(Celestia)が先週リリースされたが、最初の週には市場シェア獲得は進まなかった。リリース後4日間のトランザクション(取引)数は35万件に満たない。
Ordinalsプロトコルのトークン、バイナンス上場で50%急騰
Bitcoin Ordinalsプロトコルに関連するトークンであるORDIの価格は、暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)に「seed」タグで新興プロジェクトとして掲載され、過去24時間で50%急騰した。
分散型取引所GMXのSOL、XRPなどの利回りが75%に──アービトラムのインセンティブで
分散型取引所(DEX)のGMXでは、11月8日早くにアービトラム(Arbitrum)のインセンティブが開始され、一部の主要トークンの年換算利回りが75%にまで跳ね上がった。
業界動向
ステーブルコイン、複数のIEOに向けたニュース、日本の動きはグローバルと比べても幅広く、活発。
サム・バンクマン-フリードに有罪評決──最大115年の懲役刑も:傍聴レポート
破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの創業者で元CEO、サム・バンクマン-フリードは顧客と融資会社を欺いていたと、5週間にわたる裁判の末、陪審たちは結論づけた。量刑は2024年3月28日に下される予定。数十年の懲役刑(理論上は最長115年)となる見込みだ。
ステーブルコイン「XJPY」「XUSD」発行へ──三菱UFJ信託銀行、Ginco、Progmatが共同検討開始
三菱UFJ信託銀行、Ginco、Progmatは11月4日、暗号資産交換業者間の決済効率性向上を目的とした「暗号資産業界横断ステーブルコイン」の発行に向けた共同検討を開始したと発表した。
NOT A HOTEL、IEOに向けてGMOコインと覚書締結──発行主体として「NOT A HOTEL DAO」設立
ハイエンドな別荘をシェア購入できるサービスなどを展開する「NOT A HOTEL」。昨年、1日単位で利用できる宿泊権となる「メンバーシップNFT」を販売して話題を集めた同社がIEOによる独自トークン「NOT A HOTEL COIN(以下、NAC)」の発行を目指して、GMOコインと覚書を締結した。
ナナメウエが「YAY ホワイトペーパー」発表──日本発SocialFiのトークノミクス公開
Web3.0時代のSNSを目指して「Yay!」の開発・運営を進め、2022年8月にIEOの検討を発表していたナナメウエが11月8日、独自暗号資産「YAY」を用いたYay!のトークノミクスを記した「YAYホワイトペーパー」を発表した。コミュニティ全体で自然にトークンを利用する、日本初のSocialFiを実現するという。
One More Things
「第4のメガバンク」構想を推進するSBIホールディングス。四半期決算発表会では代表取締役会長兼社長・北尾吉孝氏が2時間弱を1人でエネルギッシュに語った。
SBI、Web3などのスタートアップ向けに1000億円規模のファンド:報道
SBIホールディングスは年内に、Web3やフィンテック、AI(人工知能)などのスタートアップに投資するファンドの運用を始める。日経新聞が8日伝えた。大手金融機関が出資し、1000億円規模になるようだ。
SBIホールディングス、過去最高の上半期収益──初の通期1兆円超えへ:2024年第2四半期決算
SBIホールディングスは11月10日、2024年3月期第2四半期の決算説明会を開催。説明会は、代表取締役会長兼社長・北尾吉孝氏の「下期は大転換の期になる」という言葉からスタートした。
|文・編集:増田隆幸
|写真:Shutterstock