最近のアルトコインの高騰は韓国のトレーダーによるもの:CryptoQuantが指摘
  • 韓国のトレーダーは小規模な暗号資産で投機的な熱狂を引き起こすことが知られている。
  • そのようなトークンのひとつは、国際取引所に上場される前の9月に6600%も上昇した。
  • しかし、ビットコインは9月以降、市場全体に対する支配力を強め、王者であり続けている。

ここ数カ月のアルトコインの価格急騰の一因は、しばしばトークンに投機的熱狂を巻き起こす、高いリスクテイク行動で知られる韓国のトレーダーにあるのかもしれない。

オンチェーンデータ分析会社CryptoQuantのアナリストは、米CoinDeskへの11月17日のメモで、韓国の暗号資産(仮想通貨)取引所Upbitのスポット取引高が9月以来ほぼ倍増していることを明らかにした。韓国の取引高の85%以上を占めるUpbitは、10月には9月と比較して82%も成長し、取引高は328億ドル(約4兆9200億円、1ドル=150円換算)から598億ドル(約8兆9700億円)に増加した。

取引高の増加により、マーケットメーカーやトレーダーが利益を再投資し、上昇する市場で買い続けるというフライホイール効果が生まれた可能性がある。

特筆すべきブームとしては、Loom NetworkのLOOMが2カ月間で約10倍に高騰し、HIFIは9月だけで6600%も上昇した。

「韓国の取引所にのみ上場されているコインの場合、取引量が大幅に増加した場合、海外の取引所で先物を上場するのが一般的だ」とCryptoQuantのアナリスト、ブラッドリー・パク(Bradley Park)氏は米CoinDeskに述べた。「オンチェーンの観点から見ると、マーケットメーカーが購買力を持っている」。

パク氏は、Upbit上のHIFIの準備量が6200万トークンから8290万トークンに27.5%増加したと付け加えた。これは韓国がアルトコインの高騰で中心的な役割を果たしている兆候だとパク氏は述べている。

取引所別のLoomの取引高。(CryptoQuant)

上のチャートでは、UpbitがLOOMの取引高増加を牽引し、価格は9月に238%、10月上旬にさらに100%急騰したことを示している。

分散型レンディングプラットフォームのトークン、HIFIの上昇の大部分は、バイナンス(Binance)が9月中旬にHIFIの永久先物を上場する前に起こっている。上場後、トークンの価格は下落に転じた。

韓国の取引所ではアルトコインの動きが急増しているが、世界的にはビットコイン(BTC)が支配的な地位を維持している。

ビットコインの市場支配力(ビットコインの時価総額と他の市場の比率)は、この期間に49%から53%に上昇し、BTCがトレーダーの間で最も支持されていることを示唆している。

データによると、全体的な時価総額は、9月初めの1兆ドル(約150兆円)強から11月17日の時点で1兆4000億ドル(約210兆円)に上昇した。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:CryptoQuant
|原文:Recent Altcoin Rally Powered by South Korean Traders, CryptoQuant Says