ビットコインは加速フェーズ/エルサルバドルの赤字縮小?【Weekly Review:11/11〜11/17】

今週の注目!

「RWAのトークン化」は、新たなバズワードに思えるかもしれないが、アメリカでは金融システムの変革を加速させる動きになっているようだ。

RWA(現実資産)のトークン化に注力する米金融大手──JPモルガンら、ファンドトークン化の実証実験に成功

米金融大手のJPモルガンとアポロは、ブロックチェーンを使ったファンドのトークン化について、複数のブロックチェーン企業と連携し、「概念実証(PoC)」に成功したと発表した。

ビットコイン

価格動向とともに、マイクロストラテジーとエルサルバドルの保有状況に注目が集まった。

マイクロストラテジー、ビットコイン投資で一時10億ドル超の含み益

ビットコイン(BTC)価格の高騰により、最大の公開保有者である米ソフトウェア会社マイクロストラテジー(MicroStrategy)は、累積投資額を25%上回り、11億ドル(約1650億円、1ドル=150円換算)超の含み益を得た。

グレイスケール・ビットコイン・トラストの割引率が10%に縮小──BTCとETHは堅調な値動き

今週のアジア取引時間は、ビットコイン(BTC)は3万7000ドル付近、イーサリアム(ETH)は2000ドル超で始まった。価格は先週の上場投資信託(ETF)に関連した上昇からほとんど変化せず、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)のディスカウント率は2021年7月以来のレベルまで縮小した。

米アーク、上昇中のグレースケール・ビットコイン・トラスト600万ドル分を売却

キャシー・ウッド(Cathie Wood)氏率いる米アーク・インベストメント・マネジメント(ARK Investment Management)は11月10日、グレイスケール・ビットコイン・トラスト(GBTC)が先週約10%上昇したことを受け、20万ユニット以上を売却した。

ビットコインとイーサリアム、ロングの清算が3億ドル──ETFの勢い低下で

14日、ETF(上場投資信託)への期待で上昇していた暗号資産(仮想通貨)市場が急落し、過去3カ月で最大のレバレッジを利用したロングポジションの清算が発生した。

ビットコインは6%反発、3万8000ドル間近──「良い時代が来た」とアナリスト

15日の暗号資産(仮想通貨)相場は昨日の低迷から大きく回復。14日に一時3万5000ドル(約525万円、1ドル150円換算)を下回ったビットコイン(BTC)は3万8000ドル手前で推移しており、18カ月ぶりの高値に近づいた。

SEC、ハッシュデックスのビットコインETF申請の判断延期

米証券取引委員会(SEC)は、資産運用大手ハッシュデックス(Hashdex)が提出した既存のビットコイン(BTC)先物ETF(上場投資信託)のスポット(現物)ETFへの転換申請に対する判断を延期した。SECは、グレイスケール(Grayscale)が提出したイーサリアム(ETH)先物ETFの申請についても判断を延期した。

エルサルバドル、保有ビットコインの赤字縮小か──毎日1BTC購入で試算

2022年11月、エルサルバドルのナイブ・ブケレ(Nayib Bukele)大統領は国レベルで行うドルコスト平均法の計画を発表し、毎日1BTCを購入すると約束した。

ビットコイン予測

予測記事が複数みられたので、まとめた。

ビットコインは加速フェーズに入り、2024年半ばまでに6万9000ドルに:アナリストが予測

ビットコイン(BTC)の価格は、ボラティリティと急騰を特徴とする「加速フェーズ」を経て、2024年半ばまでに6万9000ドルを超えて史上最高価格に達する可能性があると一部のトレーダーは予想している。これは11月10日の価格、約3万6500ドルから88%の上昇となる。

ビットコインスポットETFは、新たな投資家層に暗号資産を開放する:コインベース

ビットコイン(BTC)のスポット上場投資信託(ETF)がアメリカで承認されれば、暗号資産(仮想通貨)市場は新たな投資家層に開放されることになるとコインベース(Coinbase)は11月13日の報告書で述べた。

ビットコイン、年末までに4万5000ドルに:アナリストが予測

暗号資産サービスプロバイダーのMatrixport(マトリックスポート)のリサーチ責任者であり、分析ポータルDeFi Researchの創設者でもあるマーカス・ティーレン(Markus Thielen)氏によると、ビットコイン(BTC)の強気の勢いは年末に向けても維持される可能性が高く、価格は4万ドルの大台に乗るという。

マーケット動向

「行き過ぎ」との声のなか、XRPのフェイクニュースに翻弄された。

暗号通貨市場の上昇は行き過ぎに見える:JPモルガンが指摘

ビットコインの上場投資信託(ETF)が承認される可能性が高まったことで、この1カ月間、暗号資産(仮想通貨)は力強い上昇を見せたが、この上昇は行き過ぎであると、JPモルガン(JPMorgan)は先週の調査レポートで指摘した。

XRP、ブラックロックのETF申請フェイクニュースで急騰──公式の否定で反落

世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)は13日、同社がエックス・アール・ピー(XRP)のETF(上場投資信託)ローンチを予定しているとのフェイクニュースが広まったことを受け、ローンチは予定していないと発表した。

XRPのETF申請フェイクニュースで市場が冷え込み──ソラナ、アバランチ等が8%〜12%下落

アルトコインの急激な下落に牽引され、13日の暗号資産市場は全体的に下落。世界最大の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)がエックス・アール・ピー(XRP)のETF(上場投資信託)ローンチに向けて行動を始めたとのニュースがフェイクと判明したことを受けて、午後遅くに下落のスピードが加速した。

ブラックロックETFの噂で価格乱高下──XRP先物トレーダーは700万ドルの損失

ブラックロック(BlackRock)の上場投資信託(ETF)申請の噂を受けて価格が乱高下したため、エックス・アール・ピー(XRP)先物に投資していたトレーダーは過去24時間で約726万ドル(約10億8900万円、1ドル=150円換算)を失った。

業界動向

「Disney Pinnacle」は、NFT市場が再び盛り上がるきっかけとなるだろうか。

ビットポイント、ツバサガバナンストークン(TSUGT)の取り扱い開始

ビットポイント、ツバサガバナンストークン(TSUGT)の取り扱い開始

ビットポイントジャパンは11月14日、日本で初めて「TSUGT(ツバサガバナンストークン)の取り扱いを開始したと発表した。

米CBOE、ビットコインとイーサリアムのマージン先物開始へ

米シカゴ・オプション取引所(CBOE)の暗号資産(仮想通貨)部門Cboeデジタル(Cboe Digital)は、2024年1月11日にビットコイン(BTC)およびイーサリアム(ETH)のマージン先物を開始すると発表した。これによりCBOEは、単一プラットフォーム上で現物取引とレバレッジを効かせたデリバティブ取引の両方を提供するアメリカ初の取引所となる。

ディズニーがNFTに再挑戦、ダッパーラボと「Disney Pinnacle」をリリース

ディズニーがNFTに再挑戦、ダッパーラボと「Disney Pinnacle」をリリース

ダッパーラボは11月14日、新サービス「Disney Pinnacle」を発表した。モバイルベースのアプリケーションで、まだテスト目的のクローズドリリース。正式リリースは、アップルのApp Storeで「その後すぐ」に行われ、さらにブラウザ版とアンドロイド版が展開されるようだ。

Binance Japan、新たに13銘柄の取り扱い開始──国内最多47銘柄に

世界最大規模の暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(Binance)の日本法人Binance Japanは11月15日、新たに13銘柄の取り扱いを11月27日より開始すると発表した。

「暗号資産は、将来の金融エコシステムでは使えない」シンガポール当局の長官が指摘

シンガポール金融管理局(MAS)長官は、シンガポール・フィンテック・フェスティバルの基調講演の中で、暗号資産(仮想通貨)ではなく、ステーブルコインと中央銀行デジタル通貨(CBDC)が将来の金融エコシステムの一部になるだろうと述べた。

日立、デジタル環境債発行へ──野村、BOOSTRYらと協業

日立製作所は16日、IoT(Internet-of-Things)やブロックチェーン基盤などのデジタル技術を用いたグリーン・デジタル・トラック・ボンド(デジタル環境債)を発行すると発表した。JPX総研、野村證券、BOOSTRYと協業する。国内でのデジタル環境債の発行は、日本取引所グループに続く2例目。

One More Things…

日本のweb3をさらに加速させるかもしれない2つのニュースをピックアップ。DAOの法整備と、セキュリティ・トークン(デジタル証券)の流通市場が実現に向けて前進。

web3PT「DAOルールメイクハッカソン」スタート──「柔軟に、アジャイルにルールをデザイン」と平座長

web3PT「DAOルールメイクハッカソン」スタート──「柔軟に、アジャイルにルールをデザイン」と平座長

自由民主党デジタル社会推進本部web3プロジェクトチーム(web3PT)は11月15日、DAO(分散型自律組織)に関する法律のあり方について議論する「DAOルールメイクハッカソン」の第1回目を開催した。

名称は「START(スタート)」──ODX、セキュリティ・トークンの私設取引システム(PTS)開設に向け変更登録、変更認可を取得

大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)は、セキュリティ・トークン(ST)取引に係る私設取引システム(PTS)開設に必要な変更登録および変更認可を金融庁より取得したと発表。同時にSTのPTSの名称を「START(スタート)」と発表した。

|文・編集:増田隆幸
|写真:Shutterstock