中央集権的な暗号資産(仮想通貨)取引所に結びついたウォレットに保管されているビットコイン(BTC)は、5月以来最も速いペースで増加しており、潜在的な強気の休止を示唆している。
ブロックチェーン分析会社グラスノード(Glassnode)のビットコイン取引所ネットポジションの変化指標は、4週間前の同じ日付と比較して、特定の日付に取引所のウォレットに保有されているコインの数を測定している。この指標は11月19日に、3万1382.43BTC(11.6億ドル、約1740億円:1ドル=150円換算)に上昇し、2023年5月11日以来最高となった。これにより、取引所で保有されている残高の合計は235万BTCまで増加した。
取引所のウォレットへの流入は、投資家が保有するコインを清算する意思、潜在的な売り圧力、または先物やオプション市場での証拠金としてコインを展開する意思を表すと広く受け止められている。一方、流出は蓄積を意味する。
11月1日以降、BTCの取引所ネットポジションの変動は一貫してプラスだ。歴史的に、このような期間は強気市場の息切れや価格の下落と一致している。
とはいえ、今回の資金流入は、中央集権的な取引所に対する投資家の信頼が再び高まったことを意味する可能性もある。
昨年末、当時第3位だったサム・バンクマン-フリード(Sam Bankman Fried)氏の取引所FTXが破綻したことで、取引所のウォレットに保管されているコインの安全性が疑問視されるようになった。そのため、投資家はコインを取引所から移し、直接保管するようになった。
CoinDesk Indicesのデータによると、ビットコインは一時3万7517ドルの高値をつけた後、記事執筆時点には3万7200ドル付近で取引されている。
CoinDeskのデータによると、時価総額でトップの暗号資産ビットコインは10月に28%上昇したのに続いて、今月も7.5%上昇している。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Glassnode
|原文:Bitcoin Held in Exchange Wallets Rising at Pace of $1.16B a Month, Data Show