中央銀行による共同プロジェクトが、各国のデジタル通貨で支払いを行う際にプライバシーを維持することが可能であることを示した。
スイスにある国際決済銀行(BIS)のイノベーション・ハブによるプロジェクト「トゥールビヨン(Tourbillon)」は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)による支払者の匿名性を調査するものだ。11月29日に発表されたプロジェクトの最終報告書によると、プロジェクトでは利用者が加盟店を含む誰にも個人情報を開示する必要がない支払い方法について検討した。しかし、脱税や不正な支払いを減らすために、決済時に加盟店の身元が銀行に開示されることになる。
世界中の国・地域がデジタル版法定通貨の発行を検討する中、プライバシーは各国国民の最大の関心事として浮上している。
「プライバシーは重要なユーザー要件ですが、解決するのが最も困難だ。 難しいのは、プライバシー保護を単に約束するのではなく、技術的に保護すること、そして同時にそのような高レベルの保護が悪用されないようにすることだ」とスイス国立銀行のトーマス・モーザー(Thomas Moser)代理政策委員は声明で述べた。
トゥールビヨンはCBDC設計のためにプライバシー、セキュリティ、スケーラビリティを探求する第一歩だと報告書は述べている。このプロジェクトでは、取引件数の増加に対応できるスケーラブルなプロトタイプを2つ構築した。
また、持続可能なビジネスモデル、オフライン決済、その他の機能を探求するために、さらなる作業が必要だと報告書は述べている。
|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:スイス・バーゼルの国際決済銀行。(Shutterstock)
|原文:Central Bank Project Shows CBDC Payments Can Be Private