【デジタル証券フォーラム2023】セキュリティ・トークン(ST)の市場定着化が加速 健全な市場発展に軸足

CoinDesk JAPANの運営会社N.Avenue株式会社は、日本経済新聞社と共催で2023年12月13日(水)に「デジタル証券フォーラム2023」を開催する。

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デジタル証券「セキュリティ・トークン(ST)」の登場は、リテール投資家に新たな投資機会を提供する一方、投資家が新たなリスクに適切に向き合える環境整備の必要性も論じられている。そのための態勢強化を図っているという野村證券執行役員の村上朋久氏にSTへの取り組みを聞いた。

野村證券
執行役員
インベストメント・バンキング・プロダクト担当
村上 朋久氏

2000年野村證券に入社。金融市場部に配属。03年ロンドン法人勤務。08年に帰国後、グローバル・マーケッツやインベストメント・バンキング業務に国内外で従事し商品開発を中心に取り組む。19年からシンジケート部長を務め、2022年4月より現職。

STの市場定着化への取り組みが加速

本格的な公募発行が始まって2年余りの間に、様々な商品組成のチャレンジが行われ、いくつかの商品分野においては市場に定着する動きがみられます。従来の枠組みでは充足が困難だった市場の潜在的なニーズがデジタル技術により掘り起こされ、新たな市場として成長、変化を始めています。例えば、デジタル証券(ST)市場に多くのリテール投資家を呼び込み市場拡大を牽引する不動産STや、発行体が自らの顧客に社会的インパクト投資の機会を提供する応援投資は、一定の投資家層からの認知を得て継続発行できる商品に成長しています。

今後もデジタルの特性を活かした新たな商品のアイデアが試される一方、すでに市場に定着しつつある商品については、投資家にとって、より利便性と流動性の高い商品に育てる取り組みが進捗すると考えます。例えば、利便性の面では、商品グループ毎の設計や情報開示の規格化が進むことが考えられ、これにより発行者が異なっても投資家が比較、検討すべきポイントが明確になります。また、流動性の面では、大阪デジタルエクスチェンジ(ODX)が準備しているSTの取引所のスタートを端緒として、制度や実務の整備が進み、先々に繋がる動きが加速することが期待されます。

新たな投資リスクの説明態勢を強化

デジタル証券の登場により、従来は投資家に提供できなかったリスクリターンプロファイルや投資アングルをご案内できるようになりました。これは投資家にとって選択肢を広げる一方で、馴染みのないリスクに向き合うことでもあります。弊社は、このような理解に基づき、ますます商品性の多様化が予想されるデジタル証券の健全な市場発展のために、特にリテール投資家向けの商品については、慎重な取扱商品の選定と適切な説明を確保できる態勢の強化を図りたいと考えています。

野村證券では、新商品開発のみならず、高品質な商品設計、情報開示、投資家への説明を確保するため、市場関係者の一員として意識を高く持って取り組んでまいります。本フォーラムが市場の現状と今後の可能性を理解いただく機会となれば幸いです。

|2023年12月5日付け日本経済新聞「デジタル証券フォーラム2023広告特集」より転載
|画像:CoinDesk JAPAN