オークション大手のサザビーズ(Sotheby’s)は13日に終了したオークションで、ビットコインブロックチェーンのOrdinalsプロトコルを使用して作成された「インスクリプション」を初めて販売。「BitcoinShrooms」として知られるドット絵のコレクションから出品され、最も高い予想落札価格の5倍にあたる約45万ドル(約6300万円、1ドル140円換算)が集まった。「ビットコインブロックチェーン上のNFT」と呼ばれる取引可能なデジタル画像に対する主流の熱狂を示している可能性がある。
サザビーズの広報担当者であるデレク・パーソンズ(Derek Parsons)氏によると、10万ドル以上で落札されたドット絵のアボカドと、24万ドル以上で落札されたスーパーマリオシリーズのキノコに由来すると思われるデザインを含む3点の画像が出品されたという。3点で合計148件の入札があり、全入札者の3分の2以上がサザビーズの新規参入者だった。
パーソンズ氏は電子メールで、「近いうちにさらなる計画がある」と明らかにした。
Ordinalsインスクリプションの人気
今回の結果は、数年前にデジタルアートやNFTが初めて目を見張るような金額を集め始め、主流の注目を集めたときにデジタル資産市場を席巻した熱狂を思い出させる。アーティストのビープル(Beeple)のNFT1点が大手オークションハウスのクリスティーズ(Christie’s)で6900万ドルで落札された。ただし、そうしたコレクションの多くはイーサリアムブロックチェーン上に構築されたものだった。
ケイシー・ロダーモー(Casey Rodarmor)氏が開発した新技術を利用して昨年末にビットコインブロックチェーン上に導入されたOrdinalsのインスクリプションは、今年混雑と手数料高騰を引き起こすほど人気が出た。
Ordinalsを使用して発行された、NFTに似た「インスクリプション」のトランザクション(取引)をフィルタリングするかどうかについて、ビットコインのユーザーと開発者の間で激しい議論が起こっている。これは、元のブロックチェーンに対する多くの支持者のビジョンに沿った中核的な金融用途ではないためだ。
そのため、一部の画像がハイアートとみなされるかもしれないという考えは、議論の局面を利益方向に傾ける可能性がある。
サザビーズのウェブサイトによると、3点のデジタル画像は、ShroomtoshiというペンネームのアーティストによるOrdinalsインスクリプションのコレクションであるBitcoinShroomsからのものだという。
「BIP39 SEED」として知られるアボカドのドット絵は、当初2万ドルから3万ドルでの落札が予想されていたが、最終的には10万1600ドルで落札された。
|翻訳・編集:林理南
|画像:Bitcoinshrooms.com
|原文:‘Bitcoin NFT’ Hysteria Comes to Sotheby’s as Super-Mario-Style Mushroom Character Tops $200K