暗号資産(仮想通貨)取引大手コインベース(Coinbase)は21日、フランスの金融市場庁(AMF)に仮想資産サービスプロバイダー(Virtual Asset Services Provider)として登録し、同国で「リテール、機関投資家、そしてエコシステム向けのプロダクトとサービスの完全なセット」を提供できるようになったと発表した。
フランスは暗号資産ビジネスの誘致を目指しており、この日はステーブルコイン発行会社サークル(Circle)も、規制当局から条件付き登録を認められたと発表していた。
フランスは暗号資産企業の誘致に取り組む
CoinGeckoのデータでは、コインベースは取引量で第3位の暗号資産取引所であり、これを上回るのは同じくフランスで登録されているバイナンス(Binance)と、バイビット(Bybit)のみ。今回の登録により、デジタル資産のカストディ、法定通貨でのデジタル資産の売買、デジタル資産の取引が可能になるとコインベースは説明した。
フランスは、現在のアメリカよりも規制が明確な環境を求める暗号資産企業の誘致に熱心に取り組んでいる。欧州連合(EU)は最近、広範な暗号資産市場規制(MiCA)法を成立させており、来年施行される。
アメリカでは、コインベースが米証券取引委員会(SEC)に対して暗号資産セクターに特化したルールを要求しているが、最近SECはこれを「不当」だと主張した。一方、コインベースは業界向けに明確な政策を定めた国で規制を受けることを望んでいると述べた。
コインベースは複数のEU加盟国で登録
コインベースはすでに、アイルランドでの電子マネーのライセンスやスペインでの登録など、EUの他の場所でライセンスを取得している。10月にはアイルランドをEUのハブとする計画を発表。バミューダとシンガポールでも今年営業ライセンスを取得した。
ナスダックに上昇しているコインベースの株価は今月すでに30%上昇している。この日にさらに1.4%上昇して164.5ドル(約2万3000円、1ドル140円換算)に達した。
|翻訳・編集:林理南
|画像:ブライアン・アームストロングCEO(Coinbase)
|原文:Coinbase Approved as Virtual Asset Services Provider in France