2023年は暗号資産にとって、非常に建設的な年だった

2023年、暗号資産(仮想通貨)とブロックチェーンの世界で最も重要な成果は、悪者を裁いたことだった。2022年11月、暗号資産史上最大の詐欺事件が発覚し(CoinDeskはよくやった!)、多くの人は責任者が責任を負わないのではないかと心配していた。 私の知人の少なからずは、政治家に与えられたお金が機能すると考えていたが、そうはならなかった。

時間を2023年12月まで早送りすると、悪質な業者に対する有罪判決や和解、記録的な罰金が積み上がる。多くの人々が、顧客のお金を盗んだり、悪用したり、他の法律に違反したりしたことで、幾ばくかの期間を刑務所で過ごすことになるだろう。

これは基本的なことに思えるかもしれないが、より良い未来への基礎を築く上で非常に大切なことだ。経験したことがないかもしれないが、詐欺まがいの会社と競争するのは非常に難しい。なぜなら、彼らはあなたができないことを約束するからだ。経営陣が詐欺を働いている企業に規制コンプライアンスや監査サービスを売ろうとしたことがあるだろうか。彼らには常に、まだそれに投資する準備ができていない理由があるようだ。

司法は消費者の信頼感にとっても重要だ。暗号資産市場は大幅に値上がりしたが、取引高は過去に比べてはるかに少ない。市場全体とエコシステムへの主な消費者の入り口である暗号資産取引所の提供するものに対する信頼感を回復することは、特に重要になるだろう。

目に見えない重要性

正義の追求はさておき、2023年がブロックチェーンの歴史において極めて重要な年だったと振り返る人はほとんどいないだろう。それは何も重要なことが起こらなかったからではなく、本当に重要なことが起こったにもかかわらず、ほとんど目に見えなかったからだ。

歴史家は、イーサリアムの勝利は2022年の「マージ」で起きたと言うかもしれない。しかし実際には、それは長年にわたる作業の集大成だった。さらに言えば、2023年には、誰もがそれを本当に吸収し、この新しい環境に適応するのに多くの時間を要した。イーサリアムのレイヤー2のトラフィックが爆発的に増加し、現在ではレイヤー1のトラフィックを上回っている。イーサリアムは公式には2022年の大勝者となったかもしれないが、それを実際に大規模に構築するための作業は2023年に起こったのだ。

同様に、将来の歴史家は、アメリカ市場で上場投資信託(ETF)が追加され、ヨーロッパでは暗号資産市場規制(Markets In Crypto Assets:MiCA)の下で規制が開始されたことで、2024年を暗号資産とブロックチェーンの新しい規制時代の始まりと評価するだろう。繰り返しになるが、ETFもMiCAも、それを実現するための法律や規制に関する作業の多くは、2023年に行われた。

ブロックチェーンと暗号資産の進展に注目すれば、2023年は驚くべき建設的な年だった。ビジネスの観点から見て困難だったこの年の終わりに近づくにつれ、まだ我々は成果を上げ続けていると考えている。その一方で、実際に行われている仕事に目を向けていなければ、見えるのは犯罪者と有罪判決だけだろう。

|翻訳:CoinDesk JAPAN
|編集:井上俊彦
|画像:Shutterstock
|原文:Under the Hood, 2023 Was a Highly Constructive Year for Crypto