ビットコインETF承認は「ニュースで売る」になる可能性:CryptoQuant

ビットコイン(BTC)は、予想されている現物ETFの承認を受けて、来月(2024年1月)には3万2000ドルまで下落するだろうと、データプロバイダーのCryptoQuantは予想している。

「ニュースで売る」出来事になるといわれるETF承認について、CryptoQuantは、トレーダーの含み益は現在、歴史的に見ると調整局面に先行する水準になっているとCoinDeskに述べた。

「ニュースで売る(Sell the news)」は資本市場ではよく知られた言葉で、強気イベントに向けて資産価格、レバレッジ、センチメントなどが上昇し、実際のイベント直後に価格が下落することを表している。

米証券取引委員会(SEC)は1月にビットコイン現物ETFを承認、機関投資家からビットコインへの資金流入が始まり、一貫した買い圧力が生まれると期待され、ETF承認は強気イベントと受け止められている。

「ビットコインの短期保有者は30%という高い含み益となっており、これは歴史的に価格修正(グラフ中の赤丸)に先行している」とCryptoQuantは記している。

CryptoQuantは、ビットコインは短期保有者の実現価格(購入価格)である3万2000ドルまで下落する可能性があると付け加えた。

同様にカプリオール・インベストメンツ(Capriole Investments)は、現物ETFが承認されるであろうまでの間は「保守的なポートフォリオ管理」が理に適っていると述べた。

「数カ月前にETFによる盛り上がりが始まって以来、ビットコインは60%以上上昇し、X(旧ツイッター)には1月10日前後の承認を期待する声が溢れており、この付近できわめて大きなボラティリティイベント(価格の上下動)を予測し始める必要がある。現時点のリスクはビットコインのロングポジションにとって、ほんの数週間前よりもかなり高い」(カプリオールのブログより)

ビットコインの歴史において、「ニュースで売る」出来事はよくあることで、2017年にはシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)がビットコイン先物を上場した後、価格は2万ドルでピークに達した。2021年にもコインベース(Coinbase)がIPO(新規株式公開)を完了した後に再びピークを迎え、6万5000ドルを記録したがその後数カ月で下落した。

ビットコインは当記事執筆時て、4万2450ドルで推移している。年初は1万6000ドルだった。CoinMarketCapによると、1日あたりの取引高は800億ドル前後で安定している。

|翻訳・編集:CoinDesk JAPAN編集部
|画像:CryptoQuant
|原文:Bitcoin ETF Approval Tipped to Be ‘Sell The News’ Event: CryptoQuant