財務省は、12月13日に開催された「第8回CBDC(中央銀行デジタル通貨)に関する有識者会議 議事要旨」を公表。来月にも日本銀行や関係省庁が参加する連絡会議を設け、法律上の課題などの議論を開始する方針とNHKが伝えた。
議事要旨の主な内容は以下のとおり。
- CBDCは日常の少額決済において便利なツールとなることが見込まれる。CBDCを導入することは決まっていないが、国民生活に役立つものとなるよう進めていただくことを期待。
- 「取りまとめ」に「プライバシー・バイ・デザイン」の考え方が盛り込まれたことは重要。今後、その具体化に向けて、ガバナンスの観点から検討が必要。また、個人情報の取扱いについて、具体的な説明責任を果たすことが、信頼の醸成につながる。
- CBDCは、民間が提供する決済機能を補完・促進するインフラとなることを期待しているが、あまり前のめりになり過ぎることなく、今後、状況の変化に応じて柔軟に取り組む形で検討を進めていくべき。
- 現金は所有と占有が一致するが、CBDCは無体物であることから、「金銭とは何か」「デジタル資産とは何か」「決済とは何か」など問い直す契機となるだろう。
- 将来における技術・環境の変化は予見できないため、今後の検討に当たっては、選択肢を広く取りつつ柔軟な形で検討していただきたい。デジタルならではのメリットを活かすという発想も重要。
- CBDCの導入は決まっていないが、導入された場合には潜在的に大きなインパクトがある。民間のビジネスに相当大きな影響を与える可能性があるとともに、通貨制度を法制度的に大きく変更する必要性も生じうる。仮に海外でCBDCが導入された場合、相互運用性の確保も新たな課題となりうる。こうしたことについて、CBDCの導入を決定する前に、しっかりと考えておくことが重要。
国がCBDCの議論を本格化させる一方で、日本でも2024年半ばには民間事業者が発行するステーブルコインの登場が予想されている。
|文:CoinDesk JAPAN編集部
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